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中国駐在員報告

2013年4月 社会・時事
駐在員 : 井口真彦


     習近平国家主席は、昨年11月に中国共産党総書記に就任した後、腐敗一掃を目指し、「節約励行・浪費反対」を強力に打ち出した。その影響が各方面に広がっている。
     春節(旧正月)休暇後、上海市では、上海市政府、浙江省政府などにより、各国の総領事館や地方政府関係者を招いての新年のレセプションが開かれ、当事務所も招待により出席したが、昨年と比べ、招待者の数は明らかに少なく、演出も若干質素なものとなっていた。主催した政府担当者に聞いたところ、やはり習近平総書記の倹約令によるものとのことであった。
     これに見られるように、政府機関や国有企業は一斉に宴会を自粛、縮小している。中国商務省の2月の発表によると、高級飲食企業の売り上げは、北京で35%、上海で20%、寧波で30%低下。春節前後の高級レストランでは、料理の売り上げがツバメの巣やアワビ類で40%前後、フカヒレで70%以上も下がった。高級ホテルに付帯するレストランは苦戦を強いられたことから、例えば杭州市内の5つ星ホテルでは、手ごろな価格のランチコースを始め、これが好評を博しているとのことである。
     贈答用食品の売り上げも45%減少。高級白酒「茅台(マオタイ)」や「五糧液」など高級酒も売り上げが下がり、アルコール度数53度の飛天茅台酒と52度の五糧液の価格は最高値と比べて30%前後下落した。
     この茅台と五糧液については、小売店に対して最低販売価格を指示するなど、独占禁止法に違反したとして国家発展改革委員会が多額の罰金を科したことも大きく影響している。これらの高級白酒は、高級幹部への接待で使われて値上がりを続けたことから、権力や腐敗、ぜいたく品の象徴とみなされており、これらの規制強化に対して評価する声が相次いでいる。
     また、中国では出された料理を完食してしまうとおもてなしが足りないことを表すとされる文化があり、宴会や接待でも食べきれないほどの料理を注文する習慣があるが、これが大量の残飯を出す結果となっており、これを悪習として戒めるキャンペーンが繰り広げられている。人民日報にも「反浪費は政治任務」と題する論評が掲載された。
     この倹約令の徹底ぶりについて、中国に長く滞在している元マスコミ関係者は、「このような倹約令はこれまでに100回以上も出されたがあまり効果が無かった。今回、効果が見られるのは、党中央政治局常務委員選出に係る権力闘争の過程などから若干の疑問があった習近平の指導力の高さを表すものとして興味深い」と話していた。
    ただ、一方で「上に政策あれば、下に対策あり」というお国柄でもあり、当地の新聞によると、党・政府機関内のレストランを高級化して宴会を開くケースや、外部のレストランで公的機関の名前を伏せて予約するケースが増えているといった実態も報道されている。


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