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中国駐在員報告

2007年10月 経済
駐在員 : 若田部 孝


躍進する上海港〜2007年コンテナ貨物取扱量世界一が射程距離内に〜

 
 2006年のコンテナ貨物取扱量の世界ランキングでは、上位10港のうち、実に4港が中国であり、1位シンガポール港の次には中国香港港、そして3位には中国上海港と続く。
 そして2007年の8月までの取扱量の状況は、前年3位の上海港の取扱量(約1,710万TEU)が、実に前年比22%以上の伸びを見せ、香港港(約1,573万TEU:伸び率約2.3%)を抜き、シンガポール港(約1,837万TEU:同約13.4%)に肉薄し始めた。
 私は、県庁で商工労働部に在籍した時に清水港の貿易促進事業を担当し、その頃から海運、陸運などの物流に興味を持ち、これまでシンガポール港、香港港、寧波港、天津港、深セン港、欧州ではロッテルダム港などを視察する機会に恵まれた。そして、地元上海に約半年駐在し、ようやく、上海港を見る機会が訪れた。
 上海市の東南部の海岸から、東海大橋(東海とは東シナ海のこと。)を渡り始め、実に自動車で20分以上走行し「小洋山」という島に着いた。ここが上海港のある島である。一般的に「上海港」と言われているのは、「小洋山」、「大洋山」という2つの島であり、既に港として整備されたのは小洋山である。小洋山をさらに整備した後に、大洋山の整備に入る予定である。この島々は、実は浙江省が領有している地域であり、小洋山は現在、管理だけ上海市が行うという変則行政の地域である。
 小洋山の展望台から島を見下ろすと、コンテナ貨物埠頭にはスーパーガントリークレーンの群れが間近に見える。その後背地には、広大なスペースのコンテナターミナルが広がっている。ここに来て初めて、他の世界的巨大港と上海港の違いがわかった。シンガポール港も香港港なども、確かに巨大な港であるが港の敷地には限界がある。もともと、上海港は、上海市外高橋地区にあり、水深が浅い港であり敷地も限られ、コンテナ港としての限界があった。しかし、現在の小洋山では、超大型のコンテナ貨物船の接岸に必要な15m以上の水深も十分に確保できる上、小洋山が手狭になった時には、隣の大洋山を開発する予定だ。実際、すでに開発計画が策定されており、大洋山から直接、上海市の沿岸までの「第二東海大橋」を整備する予定であり、沿岸部からは高速道路と鉄道も敷設し、直接、上海市内の虹橋ターミナルに接続する予定である。虹橋ターミナルは、空港、鉄道の拠点であり、ここから中国全土に貨物を搬送できる。
 このように、上海港は、コンテナ貨物が増加する中で、港の機能そのものを高めつつ、キャパシティーの限界を見越し、港湾整備の中長期計画を練り上げ、世界最大の港になろうとしている。2007年の8ケ月間での実績では、今年中に上海港がシンガポール港の貨物量を抜くのは難しいかもしれないが、今後、世界最大の港湾になることは時間の問題だと思えた。


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