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中国駐在員報告

2013年10月 社会・時事
駐在員 : 野村 芳一


      中国初の「自由貿易試験区」(FTZ)が9月29日、上海市浦東新区の4地区で発足した。FTZの対象地区は、関税の一時留保など優遇策が既に導入されている上海市浦東地区内の上海外高橋保税区、外高橋保税物流園区、洋山保税港区、上海浦東空港総合保税区の4カ所で、総面積は28.78平方キロメートル。
    FTZは、李克強首相が掲げる経済政策である「リコノミクス」の目玉商品でもある。FTZにおいては、人民元の取引自由化が中心となり、人民元兌換の自由化、金利の自由化、金融業の対外開放、新たな金融商品の解禁などが盛り込まれるとみられている。
     今回、第1陣として内外の銀行や企業など36社の進出も同時に発表された。進出が認可された銀行は、中国工商銀行など国内8行の統括支店と、アメリカ、シンガポールの外資2行の支店。全体計画では、国内銀行に対し、国内の規制に縛られない「オフショア業務」を認める方針を示している。
      また、ゲーム機の生産・販売が解禁されることに対応し、米マイクロソフトと国内インターネットテレビ最大手がつくった合弁会社も第1陣に入っている。この36社の中に日系企業は入っていない。
      発足直前には、具体的な優遇策が不明でも、細則が公表されて進出のハードルが上がることへの懸念から、ひとまず拠点だけは設けて恩恵を受ける権利を得ようと中国企業による地域内への会社登記が殺到していたという。また、発足からわずか3日で900社を超える企業が入居意向を示しているという。ごく大まかにいうならば、金融面の自由化により上海を香港のようにしたいということのようだ。実際にメディアの反応を見ると香港の優位性が低下する懸念もあるのか、中国本土よりも香港からの情報発信が多い。
      こうしたことから、従来の特区を作り外資を誘致するだけの発想とは異なるようにも見えるが、実際は、上海当局が台湾銀行ほか台湾の銀行2行に対し試験区への進出について打診を行ったりするなど外からの投資を期待する姿勢も垣間見える。政治的な問題はあるものの、特に中国の地方では、低下した経済成長をなんとか維持しようと外資、特に日本からの投資を期待する声も大きく、相変わらず投資中心で内需中心に転換するのはなかなか容易ではないようだ。


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