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東南アジア駐在員報告
2000年11月 行政 駐在員 : 岩城徹雄
マレーシアの2001年度予算案、IT産業振興を重視
マレーシア政府は10月27日、2001年度の予算案を発表した。全体では875億4600万リンギ(約2兆5400億円)の歳出に対し、連邦税などの歳入が696億1000万リンギ(約2兆円200億円)で、4年連続の赤字予算となった。社会サービス関係の支出が対前年比38.3%の増であるのに対し、2000年度に重点配分された経済サービス関係の支出が18.1%の減となり、法人税減税や個人所得税の一律減税は取りやめとなるなど、経済成長を維持できるかとの疑問も一部から上がっている。
この予算案では、IT産業振興と低・中間所得者層の優遇が主要なポイントとなっている。IT関連の優遇策では、ベンチャーキャピタルに対する上場要件の緩和や法人税免除期間の延長、海外で働く技術者に対する帰国時の優遇策、社員向けパソコンの購入に対する税金控除などがあげられている。低・中間所得者層の優遇策については、年収3万5000リンギ(約100万円)以下の所得者層約123万人に対し、総額4億3400万リンギ(約120億円)にのぼる所得税の払い戻しを行い、消費拡大にもつなげたい模様。
また、政府では2001年のGDP成長率の予想を7.0%とし、今年の予想も5.8%から7.5%へ上方修正した。これは、輸出産業から始まった回復が他の業種にも及び、個人消費も伸びているためであるという。
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