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中国駐在員報告
1999年11月 経済 駐在員 : 今村理一郎
上海の映画産業がかつてないほど低迷している。今年の興行収入は、前年に比べて44%の減少にとどまる見通しである。
日本でもテレビの普及や娯楽の多様化で映画産業が急速に衰退していったが、中国でもテレビが普及したことや娯楽が多様化したことが原因の一つであることは同じだが、他にVCD(ビデオコンパクトディスク)の普及が大きな原因と考えられる。
中国では、ビデオはあまり普及していないが、代わりにVCDの再生装置が400元位(約6,000円)から売られている。また、ビジュアルコンパクトディスクが5元から20元で買うことができる。
封切り前の映画が中国語に吹き替えられた、安価な海賊版VCDが多数出回っていることもVCDの普及につながっている。(映画に行くと映画入場料15元のほかに交通費、食事代などがかかる。)
VCDに限らず海賊版が氾濫する中国では、著作権問題が今後の課題となっている。
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