中国駐在員報告
2002年6月 行政 駐在員 : 外山 敬三
中国の個人所得税
少し前になるが、2001年の国税収入が公表された。税収は前年より2,511億元増加し1兆5,157億元であった。内訳は国内増値税収入(日本の消費税に当る)が5,452億元、外資企業所得税収入が2,633億元、個人所得税収入(利子税含む)が996億元及びその他となっている。個人所得税収入については、前年比51%増と1994年以降毎年50%程度増加し続けており、中国経済の順調な発展を物語っている。
中国においては、1993年に個人所得税法が改正され、外国人だけでなく中国人も含めた個人に対して課税されるようになった。1993年の改正以前の考え方は、中国はそもそも共産制国家であり、国家が社会及び個人の成果分配を計画し実行することから、個人に対して所得という概念を適用することは妥当でない、つまり全員が国家公務員であり、税金を個別に計算するよりは、最初から税金を差し引いて給与額を計算すればよいという考え方が根底にあったようである。
現在の個人所得税は、日本の個人所得税における所得割りと同様、控除額を差し引いた課税所得に対して一定の税率をかけることにより税額が計算される仕組みになっており、税率は賃金・給与所得が5%から45%、個人商工業者所得、請負経営所得が5%から35%、労務報酬所得が20%から40%の累進税率方式が採用されている。
国民の何パーセントが個人所得税を払っているかといったデータはないが、2000年の平均賃金が780元(1元は約15円)/月で、控除額が800元/月であることから推測すると、大部分の国民が所得税を支払うという段階にはまだ達していないと思われる。ちなみに経済特区で有名な広東省深セン市の昨年の長者番付のトップは11月にゴルフのエキジビションゲームに出場したタイガー・ウッズ氏で420万元の個人所得税を納税したそうである。
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