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東南アジア駐在員報告2008年4月 経済 ラオス・・・ ラオスにも公害が 600万人(日本の人口の約5%)の人々が、24万km2(日本の国土の60%)の国土に暮らしているラオスは、国内総生産の約50%を農業生産によって生み出している農業国で、代表的な農産物は米(年間生産高230万トン)、サツマイモ(同25万トン)、トウモロコシ(同20万トン)、カッサバ芋(同6万トン)、馬鈴薯(同4万トン)である。 人口密度が低く、近代工業化が遅れているこの国は、国の人口の約12%が集中している首都ビエンチャンでさえも高層ビルは見当たらず、5〜6階建てのビル(ホテルや政府関係のビル)がちらほら散在するのどかな国である。ビエンチャンでは、隣国タイから週末旅行にやって来る人々や、避寒にやって来る欧州の旅行者の姿がよく見かけられ、街中にはこういった観光客を相手にする西洋風のカフェが立ち並んでおり、彼らの落とすお金は国の大きな収入源になっている。 この長閑な首都ビエンチャンで、最近大きな問題として注目されているのが、車の排気ガス、騒音への住民からの苦情、交通事故の増加だというのだ。というのは、ここ数年の間に車(トラック、乗用車、オートバイ)の数が急増し、ビエンチャン行政管内では現在20万台を超える車が登録されるに至ったが、そのうち点検整備を行っている車が僅か約30%以下と見られている。つまり、殆どの車は点検不備であることから、排気ガスを多く排出したり、騒音を出したり、事故を引き起こしたりしていることが多いということだ。そもそも海外から輸入されてくる中古車の割合が非常に高く、それらに対する基準が無いことから、排気ガス基準の古いものや、故障しているものなど質の悪い輸入車がとても多いのも大きな原因だとビエンチャンの行政当局は考えており、今後は定期点検の実施を徹底したり、輸入中古車に対する品質基準を作成することを検討しているということだ。 ビエンチャンの街角のカフェに腰を下ろして、のどかな街の風景をのんびり眺めていると、どこか他所の国のお話のように思えてしまうが、この数年間、東南アジア経済が全体的に力強い成長を続けている中で、ラオスも決して例外では無いという現象の一つであろう。 |
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