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東南アジア駐在員報告2001年3月 経済 シンガポールでは最近、電子産業に外国からの大型投資が相次いでなされ、話題になっている。 東芝と松下電器は2001年3月に液晶製造の新会社を設立し、2002年7月から量産体制に入ると発表した。両者合せての総投資額は10億600万シンガポールドル(約670億円)に上るという。また、台湾の半導体受託生産会社のユナイテッド・マイクロ・エレクトロニクス・コーポレーション社は、2002年第3四半期に稼動開始の半導体ウェハー工場設立計画を発表したが、投資額は62億6000万シンガポールドル(約4200億円)となるという。 アメリカ企業では、アドバンスト・マイクロ・デバイシス社が、8000万シンガポールドル(約53億円)をかけてシンガポールの既存工場を拡張し、マイクロプロセッサーの試験やICの設計を行う新施設を開設する計画を明らかにしたほか、デュポン・フォトマスク社は、7800万シンガポールドル(約52億円)を投資し、半導体用フォトマスクの工場を立ち上げた。 これらの大型投資が続く理由について、デュポン・フォトマスク社の工場開設記念式典に立ち会ったシンガポールのピーター・チェン教育・通産担当国務相は、政府が半導体産業を支えるための人材育成に力を注いでいることを強調した。また、外国企業誘致を担当する経済開発庁(EDB)の各種の優遇措置と職員の努力も見逃せないようである。この他、インフラの質の高さや英語が使える国民、政治の安定などいくつかのメリットが上げられるが、中国系、インド系国民の持つ人脈も、グローバル化の時代において、優秀な人材確保という点で非常に大きなメリットとなるという見方もなされている。 |
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