中国駐在員報告
2016年11月 経済 駐在員 : 石井亘
香港のリサーチ会社が10月末に発表した2016年7〜9月のスマートフォンの中国国内出荷台数で、オッポ(OPPO、広東省東莞市)がシェア16.6%で1位、ビーボ(VIVO、同省東莞市)が16.2%で2位となり、4〜6月にトップだった通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、同省深圳市)は15.0%の3位に順位を下げた。
オッポとビーボの前年同期のシェアは、それぞれ9.9%と8.2%に過ぎなかった。一方で前年同期に2位だった小米科技(シャオミ、北京市)は10.6%で4位に順位を下げた。米アップルは10.6%で、前年同期シェア12.4%から低下した。
ビーボは通信機器、電子教材等の生産販売会社である「広東歩歩高電子工業」(広東省東莞市)の傘下企業である。オッポは歩歩高の創業者が設立したものの、現在は別会社となっているが、マーケットではこの両社を同一視する見方が多く、「中国スマートフォンマーケットに新たなリーダーが登場した」と評されている。リサーチ会社によると、オッポのスマートフォン出荷台数は、前年同期比82%増、ビーボは同114%増で、両社を合わせたシェアは全体の約3分の1を占めた。
第4位に順位を下げた小米科技(シャオミ)は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で宣伝しインターネットで販売する、オンライン方式で急成長し、2015年には中国国内出荷台数で第1位であったが、中国スマートフォン市場の中心が低価格帯から中級・高級品帯に移行している中で、技術開発を重視しなかったことから不振を招いたと分析されている。同社は実店舗での販売を重視する戦略転換を図るとして、2017年に200〜300店舗、2020年までに1,000店舗を開設する計画を発表した。
また、韓国サムソン電子は第6位であったが、最新機種の発火事故が中国国内でも大きく報道されたことから10月以降の出荷台数は大幅に減少すると市場は予測している。
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