• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 台湾駐在員報告

ここから本文です。


台湾駐在員報告

2019年6月 経済
駐在員 : 宮崎 悌三


 米中貿易摩擦によって、台湾の製造業にも深刻な影響が出始めている。
 米国のトランプ政権が5月10日、中国から米国への輸入品に対して2,000億米ドル(約22兆円)分の関税率を10%から20%へ引き上げた。トランプ政権は、さらに将来的には「第四弾」として、スマートフォンや靴など日常品を含む輸入品3,000億米ドル(約32兆円)分に最大25%の追加関税を課すとした。
 ノートパソコンやスマートフォンは、台湾のIT関連製造業が、中国大陸でサプライチェーンを確立しており、その製品の大部分が追加関税の対象となる可能性が大きく、台湾の情報通信製品への影響は大きいと見られる。
 さらに、同政権が、華為(ファーウエイ)に対して米国への禁輸措置を講じ、米国市場から実質的に締め出したことは、ファーウエイ製品の部品を供給する台湾のIT関連製造業にとっても大きな痛手となる。
 中国製品の第三国への受注転換においても、台湾は韓国に比べて、主なサプライチェーンが中国大陸にあることから、その恩恵は大きくないとの分析もあり、台湾にとっては、益々悲観的な状況となるとの見方が広がっている。
 このような状況のもと、台湾企業はどのような対応に出ているのだろうか。
 台湾の物流会社への聞き取りによると、2019年第1四半期における台湾の対米貨物取扱量は、米中貿易摩擦の影響で減少したものの、第2四半期から第3四半期に掛けては、在庫を吐き出す形で、上向きになると予想している。これは、短期的には、中国大陸における工業生産品を台湾にある保税エリアを通じて、台湾から米国・欧州向けに輸出するという対応により、追加関税を免れる手法を取っているものと見られるが、長期的には不透明であると分析している。
 また、サプライチェーンを移管することが比較的容易な製造業において、長期的な対応としては、以下の2つの傾向にまとめられる。
 1つ目は、台湾への回帰投資である。特にパソコンやスマートフォン等の製造業を中心に、すでに複数の企業から台湾政府に対し、回帰投資の相談や申請があったという。台湾政府経済部長(経済産業大臣に相当)は、2019年内には、回帰投資額が、6,000億台湾元(約2兆円)に達する可能性があると明かしている。
 2つ目は、東南アジアやインド等、第三国への投資である。台湾の蔡英文政権は、政権発足時にすでに、東南アジア・南アジア・豪州等、第三国との人材・資金・技術・文化・教育等の交流拡大を目指す方針、いわゆる「新南向政策」を掲げていた。台湾の中国依存に対するリスク軽減が、米中貿易摩擦によって奇しくも蔡英文政権の経済政策に軌道を合わせるような形で進行している。台湾政府も台湾企業に対し、経済成長著しい第三国への投資を後押ししており、この流れを強めている状況だ。


日付別一覧  地域別一覧  分野別一覧


お問い合わせ

知事直轄組織地域外交局地域外交課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3066

ファックス番号:054-254-2542

メール:kokusai@pref.shizuoka.lg.jp