東南アジア駐在員報告
2024年4月 経済 駐在員 : 竹田 敏彦
3月中旬にジャカルタの旅行会社8社を訪問し、浜名湖花博2024を含む県内の最新観光情報及びモデルコースを紹介した。今回の訪問の目的は、観光地の案内に加えて、より多くのムスリム観光客を静岡県へ誘致する方法を模索することだった。
昨年の訪日インドネシア人は43万人と過去最高を記録。しかし、その数はインドネシア全体の人口である2億7千万人に比べて一部に過ぎず、潜在的な訪日旅行者が多く存在する魅力的な市場だ。日本政府観光局の調査によれば、インドネシアにおいて行ってみたい旅行先の第1位は日本であり(2位はサウジアラビア)、日本で経験したいことのトップ5には、静岡県で楽しめる春の桜、日本食、冬の雪、ショッピング、祭りが含まれている。また、現在の訪日旅行商品の多くは東京・大阪間のいわゆるゴールデンルートに沿ったものであるため、静岡県の訪問地をさらに増やす余地があると考えている。
一方で、受入れにあたり課題もある。心配していたハラルの食事については、8社中1社のみハラルの食事が必須という答えだったが、その他の7社は豚・アルコールを含まないムスリム・フレンドリーの食事があれば問題ないとの回答だった。また、礼拝施設については、地元のモスクを訪問して現地のムスリムと交流したいという意見があったが、概してモスクのような専門施設ではなく会議室などでお祈りができればよいとのことだった。
もう一点、インフラ面の課題として、コロナ前には週58便あった直行便がまだ7割までしか戻っていないことが挙げられる。肌感覚としても、他の東南アジア主要国と比べると日本便が少ない印象を受ける。
最新のトレンドとして、ジャカルタでは高所得者層を中心にジョギング・マラソンが流行しているとのことだ。そのため一般的な県内観光地に加えて、マラソンツアーなど新しい視点も含めて、インドネシア市場からより多くの誘客を目指す。
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