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東南アジア駐在員報告

2003年4月 社会・時事
駐在員 : 橋本勝弘


シンガポール、SARSの流行と日系企業の対応

    アジア各国で猛威を振るうSARS(重症急性呼吸器症候群)は、シンガポールでも6人の死者が出て(4月4日現在)、大きな社会問題となってきている。香港、中国、ベトナムと並んで世界保健機関(WHO)の指定地域となったシンガポールでは、保健省が国民にうがい・手洗いを励行を、また、疑わしい症状が出た場合は直ちに医師の診断を受けるよう呼びかけているほか、他人に感染させる可能性が高い患者を実名で公表して感染経路を明らかにし、接触者を検疫させるなど、流行の拡大を防ぐ措置をとっている。3月29日には、中国滞在中に発熱し、シンガポール到着後病院に入院した女性がSARS感染者であることを発表し、この女性を空港から病院まで乗せたタクシー運転手に名乗り出るようテレビ、ラジオ、新聞を通じて呼びかけるなど、必死の対策をとった。このタクシー運転手は30日に名乗り出て検疫を受けたが、その後も感染者、死亡者は増え続けている。
    教育省では感染の拡大を防ぐために、3月26日から4月6日までの約2週間、幼稚園からジュニア・カレッジ(高校に相当)を学校閉鎖とし、4月7日に再開する措置をとった。しかし、当初の見込みとは裏腹に4月に入っても感染の拡大が続いている事態を重視した教育省は、閉鎖期間を延長し、再開日をジュニア・カレッジは9日、中学校は14日、小学校は16日とした。コンサートやコミュニティ単位の催し物などの中止も相次いでいる。
    国民の間にも不安は広がり、マスクの需要が高まっている。シンガポール国内で薬局チェーンを経営する静岡県出身の方の話を聞くことができたが、マスクは置くそばから売れて行き、また、シンガポール人は健康志向が高いため、うがい薬や手洗い用の石鹸、ビタミン剤などがよく売れるようになったとのこと。
    ただし、マスクが売れているといっても町中でマスクをした人を見かけることはほとんどなく、多くは買い置きをして更なる流行拡大に備えているようである。また、日系デパート2社の販売員や郵便銀行の職員がSARSに感染しているといった事実無根のうわさが携帯電話やインターネットのチェーンメールで広がり、名指しされた企業が警察に届けるなど、おかしな方向への広がりも見せている。
    筆者が4月3日に在シンガポールの県企業現地法人数社に電話で対応策等を伺ったところでは、従業員で感染者が出たところはなく、操業に支障が出ているところはまだない。また、各企業では従業員に対し、人ごみは避け、うがい、手洗いを励行するなど予防策を呼びかける、殺菌用石鹸や使捨てのコップを新たに用意する、などの措置をとっている。また、シンガポール日本商工会議所が会員企業の対応を取りまとめたところ、前述の日系デパートでは客足が落ち、売上が減ったとのこと。このデパートでは、店内の殺菌消毒作業を強化、食品の販売員にはマスク着用を義務付けるなどの対策をとっている。旅行会社では日本からシンガポールへのツアーにキャンセルが出ているほか、ホテルでもキャンセルが多いようである。他の業種でも香港、広東省への出張を禁止し、保健省の情報を従業員に提供し、指示に従うよう指導するなど、対策を講じている。また、日本人会でも行事の中止や子どもの遊ぶ部屋を閉鎖する措置をとった。
    なお、マレーシアでも3月30日に亡くなった男性がSARS感染者と確認され、タイでも4月2日に2人目の死亡者が確認されている。タイとインドネシアでは、SARSを法定伝染病に指定し、感染の拡大を防ぐ体制をとった。戦争とSARS流行が長期化すると経済活動にも影響が及んでくるため、早期の収束を願うものである。


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