中国駐在員報告
2014年9月 経済 駐在員 : 野村 芳一
中国自動車業界をめぐる独占禁止法違反問題で国家発展改革委員会は、8月20日、日本の部品メーカー12社に対して、談合による価格カルテルを結んでいたこと等の違反行為を認定し、そのうち10社に総額約207億円の罰金を科した。中国の独占禁止法違反の罰金としては過去最高額である。調査の段階ですでに日本の自動車メーカー各社は、アフターサービスで提供される修理部品の値下げなどを発表している。
国家発展改革委員会の関係者は、「調査は通常、企業ではなく業界を対象に行っている」と述べ、特定企業への狙い撃ちはないことを強調している。商務省の報道官も「独禁法は全ての企業の前で平等であり、これを利用して外資企業を排除するような状況は存在しない」としている。
アメリカ、オーストラリアでも、今年になって日系のタイヤメーカーやベアリングメーカーが独禁法違反で巨額の罰金を受けており、中国は、欧米の動向を見て行動している、という意見もある。背景には、国内価格が、本国より高すぎる外資ブランド車への不満もあると言われている。
日系だけではなく、例えば、ドイツ自動車大手のダイムラー社は、メルセデスベンツCクラスの1台分の全部品を取り換えると、その総額は新車12台分に匹敵するということで、修理費の高さを指摘され、典型的な価格統制と認定されている。
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