東南アジア駐在員報告



2010年8月 経済
駐在員 : 長谷川卓


     国際観光都市シンガポールの新たな観光資源として、注目される総合リゾート(IR:Integrated Resort)、「マリナ・ベイ・サンズ(MBS)」が6月23日、マリナ地区にオープンした。グランドオープンと称されていたが、美術館、多目的ホールは建設中でオープンは秋以降になる見込みだ。
     MBSは、今年2月に、セントーサ島に開業したリゾート・ワールド・セントーサ(RWS)と併せて、2か所目のIRとなる。
    IRは、カジノ施設を核とし、宿泊施設、遊園地、MICE (会議、報奨、大会・学会、展示会) 施設、美術館、コンサートホールなどを併せ持つ複合リゾート施設のこと。MBSでは、高さ200mを超える3棟のホテルの屋上を連結させて、全長340mの巨大な船を模した「スカイパーク」と呼ばれる空中庭園を設置。最大3900人を収容、150mのプールやレストランがあり、開業以来シンガポールの新たな観光名所として人気を集めている。
    カジノの経済寄与の大きさと治安、教育等への負の影響を勘案してシンガポール政府が出した回答がIRと言える。一部の大人だけの娯楽施設となるカジノに、万人が楽しめる各種娯楽施設を併設して、カジノの印象を薄めさせる狙いだ。この考え方は、日本のカジノ解禁に向けての選択肢の一つになるかもしれない。

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