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中国駐在員報告

2008年2月 経済
駐在員 : 若田部 孝


記録的な豪雪に見舞われた中国
〜春節(旧正月)直前の豪雪で社会・経済が大混乱〜

 日本での報道では、「30年ぶり」、「50年ぶり」、「建国以来」という形容詞がついた中国の豪雪は、本当にすごかった。雪がほとんど降らない上海で、今年に入って何度か雪が舞い落ちたことがあったが、積雪はなかった。上海の雪が珍しくて、手帳に初めて「積雪」と書いたのが1月27日土曜日の朝だった。ところがこの日を境に毎日雪が降り続き、市内のいたるところで15cm以上、場所によっては40cm以上の積雪となった。この時期から、中国各地域、特に中南部地域の湖北省、安徽省、貴州省等、そして最も甚大な被災地となった湖南省で豪雪となったことがテレビ、新聞等で連日全国報道され続けた。
 雪の影響は、まず交通機関から始まった。積雪に加え、道路、鉄道路線等の氷結、凍結により、通行、運行が不可能となった。そのため、火力発電所の燃料である石炭等の供給が止められ、追い打ちをかけるように着雪の重量に耐えかねた送電線の破断、鉄塔の倒壊により送電機能を失い、工場や住宅への電力供給に重大な支障をきたした。また、積雪あるいは凍結等により陸上輸送が困難となるとともに空港の滑走路も積雪等により運航停止になり、産業用の物資、民生用の生活必需品、生鮮食料品の輸送停止、輸送可能区間でも大渋滞を巻き起こした。
 この結果、特に広東省の日系等自動車メーカー各社は自動車部品の供給停止に伴い、操業を止め始めた。また、その他の地域、産業分野の工場、事業所等でも、電力不足、従業員の出勤の遅延など種々の要因で、操業停止あるいは操業短縮となる事態が頻発した。
 そのため、本県企業の状況が心配になり、大連、北京、上海、浙江省、江蘇省、湖南省、広東省に進出している工場、事業所に連日、連絡を取った。その結果は、「現在のところ、大きな影響が出ていない。」ということで、ほっとした。経済活動にとって、不幸中の幸いは、大雪のピークが中国の1週間連続休暇の春節の直前であったことである。聞き取り調査を受けていただいた県内企業の代表者からも、「工場が操業できるのは、春節休暇を見越して部品ストックを余分に持っていたから。操業停止を検討する以前に、もともと春節休暇を予定したことで、大雪の影響は最小限になった。」と、聞き安心した。
 しかし、中国南部の湖南省、広東省等では大雪の影響が消えず、空港、鉄道の主要駅には、故郷に帰省しようと集まった人々が大勢いた。一時、20万人近くの人々が集まった駅もあり、治安維持に軍隊も出たと報道されている。また、被害の深刻な湖南省長沙市や隣接の広東省広州市に温家宝首相が直接出向き、習近平政治局常務委員も貴州省に行くなど、常務委員9人のうち8人が被災地に入り、被災者支援のため延べ30万人の軍・武装警察官を投入し、政府も全力を尽くし復旧活動を行っていることをアピールした。
今日、2月6日は、中国の大晦日である。午前零時が近づくにつれ街の中では打ち上げられる花火の数が増し、新年のお祝いムード一色に染められつつある。例年であれば、都市部に働きに来ている人々が、日本と同じように故郷に帰り家族団らんの楽しい正月を迎えるはずだったが、今年は家族に会いたくても帰れない人々の数が数十万人とも数百万人ともいわれている。そのため、政府も、彼らの気持が少しでも明るくなるようにと、彼らのために皆で一緒に春節を迎えようとの活動を行っている都市部もある。アパートの外に出てみると、あちらこちらに新年を迎えようと花火を打ち上げている若者たちがいる。私も異国において一人で迎える初めての新年であるが、皆が去年よりも良い年であるようにと祈ってみようと思う。


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