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東南アジア駐在員報告
1999年7月 政治 駐在員 : 篠原清志
・インドネシア、メガワティは大統領になれるのか?
6月7日に投票が行われた総選挙は、月が変わっても、小政党の反発でまだ最終結果が出ていないが、得票率では、人気のメガワティ女史が率いる闘争民主党が、第2位の与党ゴルカル党に2倍近い大差をつけている。
しかし、これでメガワティ女史が簡単に大統領になれるわけではない。
まず、選挙制度が地域ごとの比例代表で、ジャワ島以外の外島(ゴルカル党が強い)への議席配分が多く、選挙結果による議席数ではこの2党が伯仲していること。また、大統領を選ぶ国民協議会は、今回の選挙による国会議員の他に、国軍や地方議会の代表者、ハビビ大統領が任命する職業別代表者を構成メンバーとすることから、他の政党と組めばゴルカルの押すハビビ大統領の再選の芽が大きいとされている。
しかし、ハビビの再選は暴動を引き起こすと噂され、ゴルカルもハビビ一本でなく分裂状態と言われているのをはじめ、メガワティ女史に対しては、イスラム教徒が多い国で女性が大統領になることへの反発の声や、指導力に疑問(政策を明確に発言しないこと。その体型から生活習慣病があるのではないか、現在の夫との間もうまく行っていないらしいなどと噂されて、自分の体も家庭もコントロールできない者が国を指導することはできないなど)を投げかける者もあって、見通しがまったく読めなくなっている。
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