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中国駐在員報告2008年4月 政治 温家宝首相の政府活動報告 第11期全国人民代表大会において温家宝首相は、2003年の第10期全国人民代表大会からの5カ年間の政府活動報告を行った。その冒頭で、「複雑で目まぐるしく変化する国際環境に立ち向かい、経済、社会の発展における困難を乗り越え、突如襲来した新型肺炎（ＳＡＲＳ）や史上まれにみる低温・雨・雪・氷結などの特大級の自然災害に打ち勝ち、改革開放及び現代化建設は世界の耳目を集める成果を収めた。」とし、さらに次のように表明を続けた。 @経済関係 経済は新たな発展段階に入った。2007年のGDPは、24兆6,600億元(日本円で約394兆5,600億円：1元を16円換算)に達し、2002年より65.5%増となり、年平均10.6％伸び、世界第6位から第4位へと飛躍をとげた。歳入は5兆1,300億元（日本円で約82兆800億円）に達し、1.71倍に増加した。国の外貨準備高は1兆5,200億米ドルを上回った。 A農業関係 農業税を廃止し、農民に対する課税の歴史に終止符が打たれた。また、全国の食糧総生産高は4年連続の増産となり、2007年には5億150万トンに達した。 B対外経済貿易体制等関係 国有企業、金融、財政・租税、対外経済貿易体制及び行政管理体制などの改革は重要な一歩を踏み出し、開放経済は新たな段階に入った。2007年の輸出入総額は、2兆1,700億ドルに達し、世界第6位から第3位へと飛躍した。 C科学技術関係 創造・改革型の国づくりの進展は好調であり、国際的にも大きな反響がある一連の科学技術イノベーションの成果が現れている。有人宇宙飛行と初めての月探査プロジェクトが見事に成功した。 D教育・衛生等関係 農村における義務教育の無料化が全面的に実現できたこと。これは我が国の教育事業の発展史における重要なメルクマールである。都市農村部をカバーする公衆衛生体系と基本医療・衛生サービスシステムが初歩的な段階で確立された。 E文化関係 都市農村の公共文化サービスシステムは逐次充実してきている。文化体制の改革には重要な進展がみられ、文化事業と文化産業が急速な発展を遂げた。また、上海スペシャルオリンピックが成功裏に開催された。北京オリンピック、パラリンピックと上海万国博覧会の準備作業は順調に進められている。 F法律関係 民主的法制の整備には新たな進展が見られ、法律に基づく行政が堅実に進められ、人民の権益の保障と社会における公平・正義の擁護が強化されている。 G国民生活関連 人民の生活は著しく改善されている。この5年間に、全国の都市部新規就職者数は5,100万人となっている。都市部住民の一人当たりの年間可処分所得は2002年の7,703元（日本円で約12万3,248円）から2007年の13,786元(日本円で約22万576円)に増加し、農村住民一人当たりの年間純収入は、2，476元(日本円で約3万9,616円)から4,140元（日本円で約 6万6,240円）に増加した。社会保障体系の枠組みが初歩的な段階で形成され、貧困人口は年ごとに減少している。 以上を述べた上で、「この5年間は、改革、解放と小康社会の全面的な建設に向けて重要な進展をとげ、社会の生産力と総合力が著しく強化され、社会諸事業の全面的な発展により、人民がより多くの実益を手にし、我が国の国際的地位と影響力が絶えず向上した期間であった。」と冒頭の声明を締めくくった。 上記は、過去5年間の各分野における中国政府の成果表明であり、この期間の特徴を分野ごとに簡潔にまとめたものである。不透明な今後の国際政治経済社会の中において、胡錦濤主席の新体制のもと、2012年までの5年間で、中国がどのように変化していくのか、今後の動向が注目される。
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