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中国駐在員報告2007年5月 経済 第12回上海モーターショー 1 今回のモーターショーの概要 2007年4月21日の夜、浦東地区にある上海国際博覧センターで、第12回上海モーターショー(以下、「オート上海」という。)が華やかに開幕した。一般公開の22日、23日は土曜、日曜であったこともあり、初日から1日10万人以上の観衆を集めるなど盛況な中、モーターショーが始まった。 プレステージの20日(木)から最終日の4月28日(土)までの9日間で 延べ約50万人の入場者があり、前回、2005年のオート上海に比較し11万人超となっていた。 今回、各メーカーともオート上海を重要なA級モーターショーと位置づけたため、出展品・展示ブースの数、質まで世界のトップレベルに達したと報じられた。 今回の出展車の総数は868台であった。その中で国外メーカー車は265台であり、海外から運び込まれた車は130台となっているため、中国現地メーカーの出展率は約70%、国内生産車の出展率は約85%となっている。 テーマは、「人・車・自然の完全な調和」となっており、特に「エコ車」 についての出展も多く、新エネルギー対応車種は10種類以上が展示された。 2 エコ車 中国の自動車保有数量は2005年に、3,100万台を超えており、年率8%で増加している。今後、このままの率で推移すると、2010年には、保有数量が4,500万台超となると予測されている。 一方、自動車の排気ガスによる大気汚染も拡大しており、特に上海から広州にかけての中国の南部地域では深刻な状況であり、地球温暖化にも大きな影響があるため排気ガスに含まれる二酸化炭素等の排出規制が年々厳しくなっている。また、自動車の燃料となるガソリンの供給予測量については、現在確認されている埋蔵量から換算すると40年程度となっている。 以上のような環境、石油の供給に係る課題を解決するため、「エコ車」と呼ばれる電気自動車や水素等のクリーン燃料を利用した次世代自動車の出展が相次いだ。 3 モーターショー見聞録 (1)入場までの大渋滞
一見したところでは、今後、自動車購買層となる若者や一見して富裕そうな家族づれとともに、業界関係者という感じのスーツ姿の入場者が目立った。そのため、外観では東京モーターショーと同じような雰囲気であった。 (3)ブース 新開発のプロトタイプ車など最新技術やデザインを纏った世界各国のデモンストレーションカーが勢ぞろいし、華やかな会場であった。先述したとおり、中国現地メーカーが多数出展していた。
また、フェラーリ、カウンタック、ポルシェなどのスーパーカーやロールスロイスなどの超高級車にも人気が集中していた。 (4)帰り道 会場を後にし、夏かと思うほどの好天の中、すぐ到着するはずの車がなかなか現れず、40分ほど待ってようやく来た車に乗っても、いつの間にか渋滞の渦に巻き込まれてしまった。 後日、マスコミの報道を見ると、オート上海の開催されている会場と同じ浦東地区で、「中国上海汽車、零部件工業展覧会」(意味は、「中国上海自動車、部品工業展覧会」である。)が開催されており、オート上海に行くつもりが誤って、その会場に行ってしまった車も多く、浦東地区の渋滞に拍車がかかってしまった様である。 中国では製造品の模倣が多いが、同時開催の類似ショーの開催には日本のマスコミも驚き、「名前そっくり、モーターショーの海賊版!?」との見出しをつけて報道していた。 4 世界のモーターショーと来年の北京モーターショー
オート上海は、1985年から2年に一度開催される中国最大規模のモーターショーで、中国の自動車業界や市場動向を知る重要なものとなっている。第1回の規模は、会場面積1.5万平方キロ、22カ国・地域から328社が出展したが、今回の第12回ショーでは面積は約14万平方キロ、約3,000社が出展するなど規模が約10倍となっている。 また、オート上海と交互に実施され、来年、北京で開催される予定の北京モーターショー(オートチャイナ(Auto china)2008)は、北京首都国際空港近くに15万平方キロ以上の会場を確保して開催される予定である。オリンピックを間近に控えた北京で、どのようなショーが開催されるか、今から楽しみである。 |
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