中国駐在員報告
2014年7月 経済
駐在員 ： 野村 芳一
６月27日から29日まで北京で開催された北京国際旅游博覧会に中部広域観光連絡協議会の一員として参加した。北京で開催される旅行博に参加するのは、初めてだったが、上海とは異なる状況も見受けられた。
通常、旅行展示会の初日は、業者だけの参加しか認められない。したがって、いわゆるＢｔｏＢで商談できるため、来場者も大変多く、出展者としては、初日に一番の力を注ぐ。ところが、今回は、初日の来場者は思ったより少なく、盛況と言うほどではなかったが、一方で土曜日、日曜日となった２日目、３日目の一般来場者が非常に多かったのである。
来場者の目当ては、旅行社の激安商品の販売であった。５月に上海で開催された旅行博覧会でも、一般客相手の対面式の販売ブースがあったが、北京ではそれが徹底されていた。激安商品を扱っている旅行社のブースは黒山の人だかりで、来場者の整理のため、警備員が配置されるほどであった。
今回北京にやってきたのは、５月末から静岡空港に発着している天津航空のチャーター便を扱っている旅行社が参加すると聞き、集客の状況を聴取する目的もあった。天津航空によると、この旅行社の魅力は集客力が強いことという。会場で面談した旅行社の担当によると、集客は大変好調で、１便172名の定員の内、毎便160人から170人が搭乗しており、ほぼ満席とのことであった。
実は、激安商品を揃えて来場者を集めていた旅行社２社のうちの1社が、この天津航空チャーター便の取扱い旅行社であった。商品がとにかく安く、例えば、夏休み期間中の静岡便利用の本州旅行７日間（約93,000円）を買うと、もれなくソウル旅行５日間（燃料サーチャージ等自己負担、期間限定、１グループ２人まで参加可）が付いてくるという。いかにも中国人が好む売り方だ。
また、金融機関と提携して、商品を開発しており、今後、次のような商品を販売するという。例えば、一年間の預金10万元（約170万円）を金融機関に預けると、5,000元（約85,000円）の予定利息（元本保証、予定利率５％、参考：普通預金0.385％、普通定期預金3.3％）が受け取れる他に、静岡便利用の本州旅行７日間が付いてくるという。
それで利益が上がるのかという質問には、利益はトータルで考えていると返ってきた。新興旅行会社が新しい経営戦略で台頭してきている。
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