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ヨーロッパ駐在員報告
2000年6月 政治 駐在員 : 森貴志
スイス、EUとの自由化協定を承認
スイスで欧州連合(EU)との輸送や労働力移動など7項目に関する相互自由化協定の是非を問う国民投票が行われ、賛成多数で協定が承認された。
賛成票が多かったのは、フランス語圏のヴァートア、ヌシャテル、ジュネーブ州と、ドイツ語圏のバーゼル、チューリッヒ、首都ベルン、反対が過半数を超えたのは、テッシン州とシュヴィーツ州のみで、全体としてEUとの融合に向けた積極姿勢が明確になった形となった。
同協定は、スイスとEU間にある経済上の障壁を極力取り除くことで経済活動の円滑化をねらうものである。協定承認により、スイスと EU加盟国は双方の労働力に対し段階的に市場を開放し、EU域内で4年後、スイスで6年後に労働市場の相互自由化を実現する。
また、大型トラック輸送に対するスイスの規制を現在の28トンからEUレベルの40トンに緩和するほか、農産物の関税も段階的に引き下げていくことになった。
これにより、スイスはEUとの経済的結びつきを強めるとともに、EU加盟への一歩を踏み出す見通しとなった。同国の連立政府は、来年1月1日から協定を実施したいとしている。
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