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中国駐在員報告

2008年5月 社会・時事
駐在員 : 若田部 孝


北京の春の風物詩 柳絮(りゅうじょ)
 〜気温28度の高速道路に舞い散る春の吹雪〜


 4月17日に北京に出張した時のことである。上海から約1,100キロの距離にある北京は飛行機で2時間と、上海から日本とほぼ同じ距離にある。曇り空で肌寒かった上海から北京首都国際空港の第2ターミナルへ昼過ぎに到着すると、気温はすでに28度を超えており、背広の下は汗ばむくらいの初夏のような陽気で、風もかなり強く吹いている。
空港の敷地内で、白く、ひらひらしたものが空中に漂っており、陽光に照らされると銀色に輝きはじめたのが見えた。そして、高速道路に入ると、フロントガラスの前方は、吹雪のように、粉雪らしきものが渦を巻きつつ右から左へと流れている。
 タクシーの運転手さんに、これは何かと聞くと、「Liu xu(リュウ シュ)」と答えが返ってきた。これが、北京の春の名物の柳絮(りゅうじょ)であった。市街地に向かう高速道路上が最も柳絮が多く、市の中心部ではほとんど見えなくなった。
 翌日、地元の人に柳絮について、いろいろと教えてもらった。柳絮は、もう一つの北京名物で2月から4月上旬に訪れる黄砂の後に来るもので、その時期は、4月中旬から5月上旬だそうだ。白い浮遊物の正体は、綿毛状の種子で、最初はポプラ(セイヨウハコヤナギ)から、5月前後からは柳から種子が北京の空へ舞い上がっていく。最も飛散し易い条件は、気温が28度前後で風が強い日であり、この日を境に、北京の短い春は終わりを告げ、初夏になるという。
その説明のとおり、北京駅から車で10分程の距離にある日本大使館そばの日壇公園付近の柳からは綿毛状の種子は出ておらず、ポプラから出ていた。そして、空港からの高速道路上で吹雪のように種子が舞っていたのは、高速道路の両側の街路樹がポプラであったからだ。中国は、土地が乾燥しているところが多く、そのような地域ではポプラを街路樹としており、北京では30万本以上のポプラがあるそうだ。そして、私が16年前に初めて中国を訪れた時に、不思議に思った街路樹の根元から1mから1.5m位の高さに塗られた白いペンキみたいなものは、ポプラが病気に弱いため、硫酸銅と生石灰の混合液で殺菌効果の高いボルドー液を塗布したものであった。
 高速道路では幻想的であった柳絮も、オリンピックのメイン会場近くで、車から降りて体験してみると、種子が体にまといつき、注意しないと鼻や口に入ってしまいそうである。その時になって、柳絮に関する説明の一節を思い出した。「柳絮は遠くから愛でるもの。」確かに、そのとおりであった。


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