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中国駐在員報告
2010年7月 社会・時事
駐在員 ： 野村芳一
中国で人気のチャットソフト「ＱＱ」を運営する企業のウェブサイトで、１日に１人だけ、全国各地の普通の人々のその日の様子を写真で紹介する企画がある。「中国人的一天」（中国人の１日）というタイトルで中国の平凡で誠実な人々の生活を紹介するというものだ。これまで170人以上の人々が登場している。
大学生活最後に、所有していた本を蚤の市で売る大学生、ナスを収穫する野菜農家の若い女性、過酷な勤務状況の病院で活躍する女医など。日本人には知ることができなかった中国の普通の人々の、普通の生活を知ることができる。
インターネット上の企画のため、登場するのは若者が多く、そのため、80年代生れ、90年代生れの世代を指す「80后」、「90后」という言葉が頻繁に出てくる。特に、川でおぼれた人を自らの命を顧みず救助したり、孤児を自分の子として育てている18歳の少女について、「90后」の代名詞である拝金主義や考え方がおかしいなどという悪い評判を覆し、模範になると評価しているのを見ると、どこでも、健全で清く正しい生活を送っているが人が大勢いることに安心させられる。その一方で、テレビやインターネットで知ることができる富裕層の贅沢な暮らしぶりと比べて、普通の豊かではない若者たちの不満が鬱積しているのも事実ではないかと思う。
世界銀行は、中国では1％の家庭が41.4％の富を所有し、富の集中はアメリカを上回り、中国は世界で最も貧富の格差が大きい国の１つであると発表している。
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