台湾駐在員報告
2019年1月 政治 駐在員 : 内藤 晴仁
高雄市は台湾南部最大の都市で、政治的には、民進党が過去20年間にわたり市長を排出する「民進党の盤石な選挙地盤」として名高い。
このため、先月実施された台湾統一地方選挙で、かつて高雄市代理市長を経験した陳其邁氏(民進党)が落選したことは、民進党に大きな衝撃をもたらした。地元メディアは「番狂わせ」と報じ、新市長に当選した韓国瑜氏(国民党)の「韓流旋風」は台湾政治界で最も注目を集める現象の一つとなった。
当初は泡沫候補と見られていた韓氏だが、そのユニークな風貌と親しみやすさ、分かりやすい政策等で少しずつ人気が上昇、選挙戦終盤になる頃には、数万人単位の集会の開催、韓氏の追っかけグループの出現、韓氏グッズの販売等、政策以外の話題も含む一大ムーブメント「韓流旋風」を引き起こした。
市長就任式では韓氏を熱狂的に支援する多くの市民が集まり、市長就任記念切手の販売に長蛇の列ができた。「韓流旋風」はまだまだ収まる気配がない。
高雄市は経済的な停滞や若年失業率の高まり等、多くの課題を抱えている。新市長に就任した韓氏の真価が問われるのはこれからである。
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