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中国駐在員報告

2013年1月 社会・時事
駐在員 : 野村 芳一


     このほど、上海市人口計画生育委員会は、昨年の1月から9月にかけて行なった人口調査結果を公表した。それによると、上海市の常住人口は、2,317万人、うち戸籍人口は、1,421万人、市外からの流動人口は約950万人であった。
     戸籍人口の年齢構成の内訳は、60歳以上が24.5%を占める一方、14歳以下は8.6%にとどまっているという。上海市は、一人っ子政策を維持しながらも、「夫婦とも一人っ子の場合」「再婚相手に子供がいない場合」など、2人目の子供が持てる条件を9パターン設定し、若年人口の増加に向けて様々な機会を通じてアピールする予定という。
     ただ、日本以上に結婚する条件が難しいと言われる上海で、一人っ子政策の見直しなく、若年人口を増やすのは容易ではないと思う。
    実は、高齢化問題が切実なのは上海のような都会ではない。戸籍人口に流動人口が加わる常住人口では、様相は変わってくる。沿海の都市部は、内陸の若い人口が農村部から流入するため、高齢化はそれほど深刻ではない。沿岸部より内陸部、都市部より農村部で、高齢化が進展しているのだ。
     2000年と2010年の国勢調査を比較すると、2000年に最も高齢化率の高かった上海は、2010年には6位に順位を下げており、高齢化率は、11.5%から10.1%と低下している。
    一方、内陸部の重慶は2000年に7位だったが、2010年には1位となった。高齢化率も8.0%から11.7%と3%ポイント以上も上昇している。
    また、国全体で農村部の高齢化は著しく、7.5%から10.1%に上昇している。重慶の農村部では、8.2%から14.5%に跳ね上がっている。
     さらに、中国の高齢化の特徴として「未富先老(豊かになる前に高齢化社会に入る)」が挙げられる。一般的には、1人あたりGDPが1万ドルに達した後に高齢化社会に入る国が多いが、中国の場合は1人あたりGDPが3000ドルの時点で高齢化社会に突入している。
     今後、政府が内陸部の農村に住む多くの高齢者に介護サービス、医療サービスを提供する必要が出てくる。しかし、農村の高齢者の数はあまりに膨大で、都市は彼らの生活を支えるのに十分な財源を提供できない可能性がある。
     実際のところ、沿岸部、内陸部の都市において、農村を支援しうる人口の合計は3億人に満たないと推計され、その力で残る10億人の高齢者を支えるのは不可能ではないかという意見もある。


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