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東南アジア駐在員報告2001年4月 政治 タイ、ミャンマー両国代表で構成される国境委員会が4月2日からミャンマーで開催され、両国政府が協 力して国境地帯での麻薬密輸取り締まりで協力することに合意した。
タイでは、ミャンマーから流入した麻薬による汚染が深刻化しており、国内の中毒患者は子供や若者を中心に500万人とも言われ、僧侶も10%が中毒患者とか、総理府の高官が麻薬所持で逮捕されるなど大きな社会問題となっている。タクシン首相は、経済再生同様あるいはそれ以上の最優先課題として麻薬対策に力を入れている。3月11、12日に開かれた首相主催の麻薬問題対策会議では、麻薬捜査当局の権限強化や未成年者の夜10時以降の盛り場への立ち入り禁止などが提言されたほか、首相自身が、麻薬犯罪の死刑囚に対する刑執行を早期に行うこと、見せしめのための放映もありうるなどと厳しい姿勢を示している。3月3日に発生したタクシン首相の搭乗予定の飛行機がバンコク空港で爆破された事件は未だ原因が不明であるが、事故当初、麻薬取締りに関して強硬な姿勢を見せる首相を狙った麻薬組織のテロではないかとの見方が有力視されたほどである。 |
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