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2002年7月 社会・時事駐在員 : 松下 育蔵
「米国におけるFIFAワールドカップの盛り上がり」 (唯一盛り上がった94年の大会) 米国におけるFIFAワールドカップは、米本国で開催した94年にこそ、米国チームが決勝トーナメントに出場し、優勝したブラジルと互角に渡り合うなど、大変な盛り上がりを見せた。しかし、基本的にはサッカーは、国技ともいえる中南米と異なり、出ると負けのアメリカでは関心の高いスポーツとは言えず、FIFAワールドカップ開催期間中でも、ある意味、常に大リーグ野球やプロバスケットの後塵を拝していた。 (なぜ米国では、サッカーが盛り上がらないのか) こちらでワールドカップサッカーが話題に上りにくいのは、主として3点が理由のようである。 第一は、どこの国もそうだが、特に米国民は自分の国が1番でないと気がすまないところがあり、弱いスポーツはあまり見たがらないということ。 第二は、食事でも何でもそうだが、量は多いほどよいと思っているところがあり、得点シーンの少ないサッカーは、大リーグ野球、アメリカンフットボール、バスケットなどに比べて、盛り上がりの欠けるスポーツだと思われていること。 第三は、野球に見られる一発逆転といったスリリングな展開がない点。 特に、第二の点が重要で、アメリカンフットボール、バスケットでは認められている待ち伏せ攻撃が、サッカーではオフサイドルールにより、禁止されている点が大きいそうだ。 (レイカーズ優勝に酔うロス市民) 今回も、特にロスでは、プロバスケットのレイカーズが全米で3連覇を飾るなど、バスケットの話題の方が断然優勢で、人気選手のオニールやブライアント等の優勝パレードの様子がテレビや新聞で盛んに報じられていた。 (米紙におけるワールドカップ報道の特徴) 全般的には、ロサンジェルスタイムズなどがそうであるが、生活面のページで、けばけばしい顔面ペイントをした、サポーターの姿を伝えるなど、各国の盛り上がりぶりを掲載していただけだった。 ただ、そうした中でも、日本とは異なる取り上げ方をしていると感じたものもあった。 一つは、「共同開催国である日本と韓国の歴史的不和」とか、イギリスの悪名高いサポーターである「フーリガンへの警戒」など、心配材料を連日のように報道していた点である。 もう一つは、「変化する日本」という見出しをつけて、ロシアと戦う日本チームを一丸となって応援する姿、特に若者が日の丸を振って、君が代を歌う姿に、「愛国心で染まる日本」を強く感じたと報じていた点である。 ただ、アメリカが決勝トーナメントでメキシコを負かした時は、さすがに扱いが変わり、一面で取り上げるようになった。しかし、一方でサッカーを国技とするようなメキシコを破ったことで、米国内の暴動に備えるといった動きもあった。 (米紙におけるワールドカップの勝ち組と負け組) 6月30日に世界で最も観戦されたワールドカップサッカーが終了した。静岡にとってのワールドカップサッカーは、準々決勝戦ながら優勝を占う一戦として、注目を集めたブラジル対イングランド戦が静岡スタジアム「エコパ」にて実施されるなど、世界中に静岡の名を知らしめた大会であった。また、超一流の選手が必死に戦う姿に感動した人々など、数字では表せない大きな価値を創造したように思う。 しかし、韓日(米国ではこの順番で表記されている)国家レベルにおける米紙の評価は、現在までのところ手厳しい。例えば、ニューヨーク・タイムズは、純粋な数字で表れる価値により、W杯の評価をしたいようだ。6月29日付同紙は、「W杯への主催国の多大なる夢、くじかれる」との見出しの下、「W杯が日本経済を再燃させるという望みは、実現しなかった」と報じている。もちろん、企業や政府の中には勝者も敗者も存在するとの記載も忘れていない。 勝者となったのは、十分な品数を抱え、気まぐれな熱狂の波に乗った企業だと言う。例えば、アディダス・ジャパンの社長は、日本代表チームの公式ユニフォーム(125ドル)等はじめ、高額のジャージやサッカーボールを販売して大成功を収めたという。そのほか、W杯の公式スポンサーのヤフーは、10億人以上のウェブサイト訪問者を記録し、マスターカードインターナショナルは、200万人の新規クレジットカード加入者を見込んでいる。 敗者は、W杯が韓国に90億ドル、日本に260億ドル相当の経済効果をもたらすだろうと、多くの投資をした企業・政府高官だという。エコノミストは、「W杯とスタジアム建設費に取って代わった経済活動を考慮に入れれば、W杯の付加的経済効果はゼロに近いか、むしろマイナス」と主張しているという。
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