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中国駐在員報告2007年6月 経済 増加を続ける中国人訪日旅行者 5月23日(水)に上海総領事公邸で上海ビジット・ジャパン・キャンペーン(以下、「VJC」という。)推進会が開催された。 この会議は、隅丸上海総領事を会長とし、上海日本商工クラブ、日本貿易振興機構、日本国際観光振興機構、日航インターナショナル・全日空、JTB・日本旅行等の関係機関及びオブザーバーの在上海地方自治体各事務所の代表者を構成メンバーとして開催された。 隅丸会長から、「本年は日中国交回復35年目の節目の年であり、VJCの本年の目標である日中間の相互訪問者数500万人(訪日100万人、訪中400万人)を達成するため、日中両国間の観光が促進されるよう、中国の観光の状況をよく把握し、関係機関が連携してもらいたい。」との発言を皮切りに、日中間の観光実績や35周年記念事業の取り組み状況などが関係機関から詳細に説明された。 中国国内での海外旅行者の動向を見ると、表1のとおり中国からの海外旅行者数は、2000年からの6年間で3倍に伸び、特に内訳では私用旅行者数の伸びが5年間で4倍以上となっている。また、2005年の渡航先別では、表2のとおり約71%と圧倒的に香港、マカオが多いが、日本へは約65万人と、ロシアに続いて第5番目に位置している。さらに、2006年の訪日旅行者数については、表3のとおり2001年からの6年間で2倍の約81万人に増加しており、今年の目標の100万人も目前となっている。 次に日本国内での訪日外国人の動向を見ると、表4のとおり訪日外国人旅行者数は前年対比約10%超の増加が続き、2006年は733万人となっており、VJCの目標である「2010年までに訪日外国人旅行者1,000万人」も射程距離に入ってきた。また、2006年の国・地域別の訪日外国人旅行者の割合については、韓国が圧倒的に多く212万人(構成比約29%)の第1位となっているが、香港を含む中国は116万人(同約16%)の第3位となっている。 以上のように、日本への中国人旅行者の比重は着実に伸びており、いかに日本へ中国人旅行者を集客すべきかが、各都道府県の観光担当部局の重要な課題の一つとなってきている。 また35周年記念事業として、9月下旬に「2007日中文化観光交流ウィーク」が予定され、日本から2万人規模の訪中団を派遣する計画となっており、最終日の9月29日には谷村新司氏の企画、演出、出演の音楽会が上海市内で開催され、これを中国全土に放送できるようVJC推進会が関係機関と調整中である。 なお、会議当日のオブザーバーの一人として出席していた上海国際旅行社の袁副社長より、「香港、マカオと同様に、中国本土での個人向け観光ビザの発給や領事館別の申請手続きの簡素化などが図られれば、訪日中国人旅行者の大幅増加が可能になる。」との、提案が総領事館へ出された。 現在、日本政府は、中国本土に対し団体旅行の訪日ビザしか認めておらず、今後、中国本土全体で個人旅行を認める場合には、訪日中国人旅行者が激増することが想定される。そのことも視野に入れながら、本県のすばらしい観光資源をいかに効果的に中国でプロモーションするかが、観光戦略上の重要ポイントとなる。 参考資料 1 中国国内での海外旅行者の動向 表1 「中国人海外旅行者数の推移」 単位:人
表2 「中国人海外旅行者の渡航先(2005年)」 単位:人
表3 「中国人訪日旅行者数の推移」 単位:人
2 日本国内での海外旅行者の動向 表4 「訪日外国人旅行者数の推移」 単位:万人
表5 「国・地域別訪日外国人旅行者の割合(2006年)」 単位:万人
(出典)表1から表5のデータの出典は、独立行政法人日本国際観光振興機構(JNTO) |
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