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台湾駐在員報告

2016年7月 社会・時事
駐在員 : 内藤晴仁


台北市内で暮らしていると、時折、古い日本式の家屋を目にすることがある。これらの多くは日本統治時代(1895年〜1945年)、台湾で暮らしていた日本人が住んでいた家屋であり、終戦により日本人が本土へ引き上げた後は、台湾人が住み続けていたものである。近年では「懐日ブーム(台湾の過去の一時代を肯定的に捉え懐かしむ現象)」の影響もあってか、こうした家屋の中には、お洒落なカフェやレストラン、本屋などに改装されたものもあり、中に入ると外観とのギャップに驚かされる。

日本統治時代には、台湾で生まれ、幼少時代を過ごした日本人も少なくない。

先日、戦前の台北で幼少時代を過ごした方々による座談会が開催されたので、これを傍聴した。台湾で生まれた「湾生」と呼ばれる日本人と、湾生とともに小学校時代を過ごした台湾人が座談会に出席し、当時の小学校があった場所(現在は中学校)で、70年前の思い出と友情を語り合うものである。

座談会で湾生の方は、当時の台北の街や生活を生き生きと語られた。「学校には今のようなチャイムがなく鐘が鳴らされていた」、「家族で暮らした家が当時のまま今も残っている」という話をする時、湾生は幼少時代へ里帰りをしたかのように楽しそうな口調になる。かつての古い日本式の家屋はリニューアルされても湾生の心の情景は幼少時代と変わっておらず、戦前の台湾は湾生の心に今も深く刻まれた「ふるさと」の情景そのものではないかと感じた。

戦後70年が過ぎ、戦前の台湾の情景に触れる機会は減少しているが、私は、台北で戦前に生まれた方々と俳句や短歌を通じた交流をしている。彼らの多くは母国語である中国語ではなく日本語で話すことを好み、日本の俳句や短歌を心から楽しんでいる。彼らが俳句や短歌を詠む時、戦前の幼少時代へ逆戻りしているのだとすれば、台湾と日本との深いつながり(絆)を感じずにはいられない。

 台北に暮らす前と現在とを比べると、私の台北に対する印象や理解は大きく変わった。現地で暮らし人々と交わることで初めて触れられる台湾の様子を、今後も発信していきたい。


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