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中国駐在員報告
2012年5月 社会・時事 駐在員 : 井口真彦
2008年に日本で大きな話題となった冷凍餃子中毒事件や、同年に中国国内で発生したメラミン汚染粉ミルク事件など、中国では食品・薬品の安全を脅かす事件が頻発している。懇意にしている浙江省政府関係者は、最も信頼できるとしている職場の食堂以外、外食は極力控えていると言う。
その中国で、最近連日メディアを賑わせているのが「毒カプセル事件」である。
4月に中国中央テレビCCTVが放送した番組で、薬用のカプセル剤を作る際に使用するゼラチンカプセルに、安全基準値を超えるクロムが含まれていると報道したのを機に、一気に大事件となっている。
河北省や江西省などの工場で、廃棄物を原料にゼラチンを製造し、一部の業者がこれを原料にカプセルを作り、合格品として各地で販売していた。これらのカプセルからは、最大で基準値の90倍のクロムが検出された。
薬用カプセル製造会社が数十社集中し、全国生産の約3分の1を製造している浙江省紹興市新昌県でも、サンプル調査の結果、96のうち33から基準値超えのクロムが検出されている。
国家食品薬品監督管理局は、各地の業者のカプセル販売と使用を禁止する緊急通知を発布するなど、対応に追われている。
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