中国駐在員報告



2024年8月 社会・時事
駐在員 : 石川 祐介


中国国家統計局が6月の雇用統計を発表し、就業者の1週間当たりの平均実労働時間(48時間36分)を公表した。前年同月比で24分減ったが、コロナ禍前の2019年同月と比べると2時間54分も増加している。週52週、法定労働時間8時間とすれば、コロナ禍以降で18日も出勤日が増えた計算で、長時間労働が常態化している様子が伺える。
調査機関が違うため単純比較はできないが、年間労働時間は中国が2,490.8時間(国際労働機関2022年発表)であるのに対して日本は1,607時間(経済協力開発機構2021年発表)で、各種報道でも中国人の労働時間が明らかに多いとの分析がされている。
中国ではこの数年、「996(朝9時から夜9時まで、週6日出勤)」や「007(0時から0時まで24時間仕事のことを考え、週7日休みなく働く)」など長時間労働の概念が世間を騒がせているが、先日も現地メーカーが従業員に対して、「6月中旬から100日間、毎日午前8時から午後9時まで、週6日働こう!」と呼びかける社内文書がSNSで拡散され、こうした長時間労働が改善されないことが話題となった。
一方、現地の肌感覚では、営業・企画などホワイトカラーの労働環境が更に深刻かもしれない。現地の業務連絡はメールからスマートフォンのグループチャットに移行し、「24時間上司からの指示、同僚の報告が飛び交って気が休まらない」との声も多い。
 中国の急速なIT化は、生活の利便性を飛躍的に高めたが、現地のサラリーマンにとっては、たまの休日くらいは携帯を見ずにデジタルデトックスしたいのが本音のようだ。

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