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中国駐在員報告

2008年7月 経済
駐在員 : 若田部 孝


原油価格高騰の中国経済への影響
〜中国の高度経済成長は、いつまで続くのか〜


6月26日に、ニューヨーク市場の原油先物相場が1バレル140ドル(日本円換算:14,840円)の大台を突破した。今回の原油価格高騰(以下、「原油高」という。)の影響は、ガソリン、軽油などの直接的な石油製品の価格上昇だけでなく、燃料費の高騰による物流経費の上昇が、食料や生活必需品などの価格上昇の原因の1つにもなっている。また、代替燃料としてのエタノールの世界的増産は、食料や飼料として使うべきものまでバイオ燃料の原料としてしまうため、食料不足に拍車をかけ食料価格高騰の原因となっている。
これらは、市民生活だけでなく、第1次産業から第3次産業まで幅広く、深刻かつ、重大な影響を与え始めた。1973年、1978年のオイルショック時に、最も強く影響を受けたのは石油大量消費国である先進国であったが、今回は、人口22億人を擁する中国、インドも石油大量消費国に加わり、原油高の状況に複雑な影響を与えている。
 中国では、国務院発展・改革委員会の決定により、航空運賃、ガソリンなど特定の重要品目の価格を引き上げる仕組みとなっており、政府主導でインフレを抑え込もうと懸命である。しかし、国務院統計局が5月に公表した本年4月の石油製品価格の前年同月比は、とうとう10%を超える上昇となった。また、消費者物価指数(CPI)の上昇率については、2006年が1%台、2007年後半が5〜6%台、2008年に入ってからは7〜8%と高水準が続いている。
 これまで中国は、「改革・開放」経済により、国外から資本と技術を導入し、安価な労働力を武器に、「世界の工場」といわれるまでに経済発展を続けており、その背景には、安定的かつ安価な海上輸送費の存在があった。
ところが、経済開発区内での日系企業を含む外資系企業への優遇策の段階的廃止、今年1月から実施された労働契約法の施行、沿岸部地域を中心とした人件費の上昇に加え、さらに原油高の影響を直接受けたガソリン、軽油等の大幅な値上げと、経済環境は厳しくなる一方である。
このような環境の中で、海上輸送費さえも継続的に上昇する場合には、日本や韓国以上に、影響の大きくなる欧米各国では、中国を含む海外生産拠点の再編や生産拠点の国内回帰などの可能性もありうる。
中国経済は、1月の大雪害、5月の四川汶川地震、さらに原油高の荒波を被っているが、現在のところは、際立った重大な影響は見せていない。今後、北京五輪終了後の2008年後半に、経済面でどのような変動があり、それがどのように国際経済に影響を与えるのか、注視していきたい。
※注1 換算レートは1米国ドル=106円で計算


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