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東南アジア駐在員報告2004年6月 経済 シンガポール 各種指標が示すシンガポールの実力
「2004年国際競争力ランキング」は、世界60か国・地域を対象に、経済状態、政府の効率性、事業の効率性、インフラの4部門、323項目を指数化して算出したもので、1989年から毎年発表されている。 シンガポールは2000年の2位から、01年の3位、02年の8位と順位を下げていたが、昨年4位に浮上し、今年は2位に戻った。トップはここ数年米国が維持している。 シンガポールの部門別の順位は、政府の効率性1位、経済状態5位、インフラ整備9位となっている。シンガポールが順位を上げたことについて、世界競争力プロジェクトのダイレクターを務めるステファン・ガレリーIMD教授はビジネス・タイムズ(シンガポールの地元紙)に対し、「昨年は各国とも経済成長力が弱まったが、欧州に比べて米国と中国は回復力が強かった。両国との関係が強いシンガポールにも好影響を与えたのだろう」と説明している。 なお、他のアジアの国・地域では、香港(6位)、台湾(12位)が上位に入り、日本は23位、中国は24位となっている。 次に、「2004年世界電子行政ランキング」は、北米、欧州、アジアの12か国で一般インターネット・ユーザー(週1回以上利用する人)5,000人を対象にした調査と、22か国の電子行政サービスの比較評価(*)を基に数値化し、ランク付けを行うもので、毎年発表され今回で5回目となる。冒頭で述べた通りシンガポールは、カナダに次いで2位にランクされ、電子申告による納税者の増加(前回の33%から55%に)や顧客関係管理の面で高い評価を受けている。 シンガポール政府は昨年、「電子政府アクションプラン」を発表し、3年間で13億Sドル(約850億円)を投じ、情報通信技術(ICT)を活用した行政サービスのさらなる高度化を目指すとしている。 国土の面積は、静岡県の12分の1(新静岡市の2分の1)、人口は静岡県よりやや多い413万人と小国であるが、シンガポールには学ぶべきところが多いと感じる。 |
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