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中国駐在員報告

2013年12月 行政
駐在員 : 野村 芳一


     県経済産業部マーケティング推進課の事業で、日系食品バイヤー招聘による「商品発掘・現地商談ツアー」が昨年度に引き続き先月実施された。中国市場における県産品の販路拡大を目指す事業である。
    昨年度は、上海の食品バイヤーを静岡に招聘し、県内で中国市場において販売可能な商品を発掘、その後、メーカー各社と県が、上海の百貨店、高級スーパーの訪問等を行い、各社商品をPRした。その結果、複数の品目が、販売採用に漕ぎ着けるという成果を得ている。
    今年度は、より一層の効果を得るため、昨年度の事業のスキームに加え、商談後の販促キャンペーンにも取り組むこととなった。商談及びキャンペーンは、11月21日から25日の日程で実施され、当事務所は現地での支援を行った。
    日本の食品業界にとって、中国市場は、規模の大きさと言い、今後の可能性と言い、大変魅力的なものであるが、中国側の規制により、現在は大きな制約が存在する。例えば、中国へ輸出できる果物類は、「りんご」と「なし」に限られる。本県の特産物であるイチゴやメロンは、輸出できない。上海の高級百貨店の果物売り場で見られる日本の果物というと、1個200元(約3,400円)もする超高級の青森りんごである。
    ただし、農産物については、加工品であれば、輸出可能である。また、生肉については、輸出できない。本県の特産である茶葉については、法的には輸出可能であるが、中国政府から輸入にかかる書類の様式が示されず、実質的に輸出できない状況である。
    それに加えて、中国への輸出について問題となるのは、通関の手続きなどに長い時間がかかることである。日本食品を扱う貿易業者によると、加工食品の場合、市場に出るまでの期間を考えると、賞味期間は1年位あるものが望ましいという。当然ながら、輸出できる商品は非常に限定されてしまう。
    東日本大震災以来、日本食品の輸入が滞り、韓国食品に席巻されていた高級スーパーの陳列棚に最近ようやく日本食品が並ぶようになっている。また、一時期、日本食品に関わるイベントを行うとき、アジア食品フェアとされるのがほとんどだった状態が、近頃は堂々と日本食品フェアと銘打って、特売を実施できるようになっている。
    とは言え、実際にフェアで売られているものは、上記の事情から日本酒、焼酎、乾麺、菓子、調味料などが主なもので、酒類を除けばそれが日本を代表する食品か、というとちょっと首を傾げざるを得ないのが実態でもある。
    今回、県内食品メーカーが百貨店・高級スーパーの担当者に対してPRしたのは、高級ミカンジュース、チューブ入りわさび、ふりかけ、乾燥ポテトサラダ、水素水などの商品である。いずれの商品もバイヤーが選定し輸入済み或いは輸入可能性の高いものであることから評価は高いものが得られた。
    商談に立ち会って感じたのは、これから上海だけでなく、その周辺地域にも日系の百貨店、スーパーの進出ラッシュが起きることから、輸入が可能で高品質の日本食品への需要が一段と高まると予想されることである。購入担当者からは、「中国に入っている物でよい物なら何でも欲しい」ということばが良く聞かれた。
    また、上海で幅広く日本食品を取り扱っている久光百貨店地下で行われた即売では、チューブ入りわさびのように、既に商品として店頭に出ていた商品については、客は説明を聞くこともなく、複数個を即座にカゴに入れるという光景を目にした。中身をよく知っている商品は、日本製というブランドで選ぶのである。即売日初日の土曜には、概算で1万元超(約20万円)の売上となり、店頭在庫が減ったため、久光百貨店から追加発注を得たという。
    中国の輸入規制について今後の動きがどうなるかは不明であり、今まで特に問題なく入っていたものが、急に厳しくなるようなことが、よくあるため正確な予測は困難だ。しかし、やはり大きな流れとしては、規制緩和に向かうものと思われる。日本食品にとって中国市場には、大きな可能性が残されている、まさにこれからだと思う。
    ある参加企業からは、県という信用をバックに中国、上海を見ることができ、国内で抱いていた(中国に対する)イメージを一新することができ、本当に有意義な時間であったと感じている、という感想をいただいた。これからも少しでも県内企業の皆さまのお役に立つことができればと考えている。 


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