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中国駐在員報告
2010年8月 社会・時事 駐在員 : 野村芳一
上海の地元紙が、上海市糖製食品協会からの情報として伝えたところによると、今年の同市の月餅生産量は前年比4.8%増の2.2万トンとなり、過去最高を記録する見通しだ。売上総額は20億元に達する見込み。
中国では、毎年、旧暦の8月15日(今年は、9月22日)の中秋節に家族で月餅を食べながら、家族の円満を味わう習慣がある。日本人に、正月と年越しそばが切り離せないように、中国人にとって、旧暦の8月15日には、月餅がなくてはならないものとなっている。
ところが、いつの間にか日本のお中元のように、季節の挨拶として「月餅」が配られるようになった。菓子店、レストラン、有名ホテルなどがオリジナルの「月餅」を製造し、競って販売している。贈答品として、外見の豪華さも求められ、競争も激しくなっているためか、月餅商戦が2か月も前から始められる。老舗の月餅はよく売れるようだが、そうでないところは、販路の拡大が大変だとか。社員に「月餅」の販売ノルマをかけるホテルも少なくないそうだ。特に上海は、万博の影響で需要増が見込まれるということで、販売合戦が激しさを増すことが予想される。
ただし、小売価格は原材料費や人件費などのコスト上昇に伴い、低価格商品でも5%前後の値上げが避けられないとみられている。最近、ガス料金も値上げとなったが、物価の上昇も一般庶民の生活には最小限の影響に止まって欲しいものだ。
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