韓国駐在員報告
2018年7月 経済 駐在員 : 野原 靖
韓国航空業界の2017年1月〜12月の決算が発表された。済州(チェジュ)航空は売上高9,963億ウォン、営業利益1,013億ウォンを記録した。
同社は「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備に反発する中国の団体観光の中止等により中国人観光客が減少した中で、LCC業界初の1,000億ウォン台の営業利益を突破した。
またジンエアーは売上高8,883億ウォン、営業利益969億ウォンを達成した。同社は、LCCの中で唯一の大型機材「B777-200ER」を保有している利点を活かし高い実績を達成した。創立10周年を迎えた同社は、中長距離路線を中心とした就航により、他LCC各社との差別を図っている。
ティーウェイ航空はLCC業界の売上高において初めて3位を獲得した。同社は売上高5,840億ウォン、営業利益470億ウォンで、前年比でそれぞれ52.6%と267.2%増加した。同社は2018年に5台の新しい航空機を導入する予定で、新規の長距離路線の確保にも乗り出す。
エアプサンは堅固に守ってきた売上高3位の座を奪われたものの、売上高5,616億ウォン、営業利益344億ウォンを達成した。同社にとっては仁川空港発着の路線がない点が課題であり、今後の対応が注目されている。
イースター航空は売上高4,928億ウォン、営業利益157億ウォンであり、前年比より大幅に増加した。
LCC業界で最も後発であり、富士山静岡空港と仁川空港間を就航しているエアソウルは売上高1,083億ウォン、営業損失259億ウォンとLCCの中で唯一の赤字。現在、福岡や関西空港等の搭乗率が高く採算の高い路線へのシフトを進めている。LCC業界関係者は「新規路線の拡大と各社の営業力が業績を左右するだろう」と述べている。
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