中国駐在員報告
2019年3月 政治 駐在員 : 土屋 岳久
昨年10月に安倍首相が中国を訪問した際に、日中間で「日本国政府と中華人民共和国との間の青少年交流の強化に関する覚書」が結ばれた。外務省は2019年を「日中青少年交流推進年」として、積極的に交流していく予定であることを、在中華人民共和国日本国大使館のホームページに掲載した。
そのような中、中国の王毅国務委員兼外交部長は先日、「中国人の対日感情は改善しているが、日本人の対中感情は未だ良くないままである」と発言し、その改善手段として「修学旅行などにより日本の青少年の訪中が増えれば、対中感情改善に役立つのではないか」との見解を示した。
私が中国に赴任した2016年4月当時を思い返すと、日本では「PM2.5で前も見えず」「中国経済まもなく崩壊か」などネガティブな報道が多く、駐在員たちは「実態と違う」と憤慨していたことを記憶している。しかし最近では、「QR決済の最先端を行く中国」「独身の日に3.6兆円の売上、消費意欲盛んな中国」等ポジティブな報道が多く、これも日中関係が良くなっている証拠であると感じている。
しかし、一度根付いたネガティブなイメージは簡単に払拭できるものではない。中国を訪れた方に話を聞くと、ほとんどの人が「PM2.5対策でマスクを持っていくように」との話を周囲から聞かされて来るなど、日本ではまだまだ悪いイメージが先行しており、王毅国務委員兼外交部長の見解のとおりであると感じる。
今後の日中関係を考えると、未来を担う世代が中国を自分の目で見た上で判断することが最も大切であると感じている。そのため、今後も青少年交流への積極的なサポートを実施していきたい。
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