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東南アジア駐在員報告
2013年10月 経済 駐在員 : 長谷川 卓
8月27日〜30日、静岡県からの視察団に随行してミャンマー・ヤンゴンを訪問し、日系企業の縫製、製靴工場を見学するとともに、静岡県企業が設立した日系企業向けのビジネスサポートセンターを訪問した。
29日夜には、現地に駐在する静岡県関係企業5社8人に集まっていただき、意見交換を行った。ミャンマーに駐在員を派遣している多くの日系製造企業は、電力、水、道路、工業団地等のインフラ整備が進んでいないことから、生産開始に至っていない状況とのことだったが、今回参集していただいた県内製造業企業3社中2社は、将来の本格的生産開始に向けて社員の技能向上訓練を兼ねて、小規模生産ではあるが、すでにミャンマーでの生産を開始していた。先行者利益だけではない、ものづくりのための先行投資もあると認識を新たにした。
日本が協力して整備計画が進められているヤンゴン近郊のティラワ経済開発区について、ミャンマー政府は工業団地の第1期分譲開始を2015年中としている。今回の視察では工業団地建設予定地も見学したが、昨年9月の静岡県ビジネスミッションで視察した際と現状は全く変わらず、水田と原野が広がっていた。2015年には、域内関税を原則的に撤廃することになるアセアン経済統合が待ち受けている。関税が完全に撤廃された場合、道路、港湾インフラ整備が進めば、既に生産拠点のあるタイ等域内周辺国からの完成品輸入が国内生産よりも安くなる可能性もある。現地生産か、輸入か、多くの日系製造業が投資の可否と時期を見極めようとしている。
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