東南アジア駐在員報告
2015年12月 社会・時事 駐在員 : 芦澤 裕之
11月6日から8日の3日間、タイの大型ショッピングセンター「サイアム・パラゴン」で開催されたFIT (個人旅行) フェアにブース出展した。
タイの経済状態があまり良くないと言われていることや、会場が昨年までの2階から5階に移動したことで、客入りが心配されていたが、事前PRやイベントの充実など、事務局の努力により、大変盛況なイベントとなった。(3日間の来場者数は前年比21%増の4万6千人)
旅行会社のブースには、航空券、ホテル、交通パス、テーマパーク入場券を求める来場者の長い列ができた。例年同様、静岡ブースには、航空券を購入した後で目的地を探す「タイ人らしい」訪問者が多く訪れた。
県内の観光地でもっとも問合せが多かったのは河津桜であった。これはブースに河津桜まつりのポスターを貼っていた影響も大きい。このほかには、富士山(5合目)への行き方、部屋から富士山の見られる旅館、茶畑と富士山の写真が撮影できる場所、高磯の湯(熱川)、大井川鉄道、掛川花鳥園、ちびまる子ちゃんランド、みかん狩り、キンメダイ、イエティ、ぐりんぱ、富士宮(やきそば)などの問い合わせを受けた。
過去の継続的なプロモーション活動の成果により、消費者、旅行会社への静岡県内観光地の認知度は確実に高まっている。県内観光地を指名した上で行き方の相談をする消費者も増加しており、旅行会社へも伊豆のホテルの問合せが増えている様子だ。
とはいえ、富士山観光に関して「河口湖」「箱根」の知名度にはまだ敵わない。これに対抗するためには、富士山と食を連動させたPRをすると効果がある。富士山に加えて三島のウナギ、沼津の寿司、富士宮やきそばを紹介すると、消費者からは「行ってみたい」との反応が返ってくる。
なお、今回、複数の旅行会社から「北海道」の問い合わせが減っている、との声を聞いた。需要が一巡したことや、北海道の冬の寒さを経験して2度目以降は敬遠することなどが要因のようだ。タイからの訪日旅行者もリピーターが増えており、消費者は常に新しい旅行先を探している。本県は東南アジア市場で他県に遅れをとっているが、訪日リピーターを確保するためには、継続的な現地PR活動を行うことが何よりも重要である。
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