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東南アジア駐在員報告2008年9月 政治 シンガポール・・・独立記念日の首相演説
今年の演説は、生活コストの上昇、外国人労働者との摩擦、進む少子化問題を大きなテーマとして取り上げ、各々についての所見を述べた。 まず、生活コストの上昇については多くの国民が生活コストの上昇を強く実感していることは承知しているとし、財政黒字分を低所得者に還元する措置を10月に行う。約30億ドルの支援金を恵まれない世帯に支給する。また、その他インフレ圧力の軽減を様々な形で行っていることを説明した。 外国人労働者との摩擦については、マリーナベイとセントーサ地区にできる総合リゾートだけでも2万人の新規雇用が創出される見込みであるし、現在の失業率も2.3%と低い数値である。シンガポール国民だけでは創出される雇用機会をカバーすることはできず、外国からの各分野の労働者を導入することは必要だ。外国人の人材はスポーツの世界でも、わが国のレベルアップに貢献している。人材を外国から迎えるからこそ、わが国は競争に勝ち抜くことができるのだ。と外国人労働者の受け入れの必要性を国民に説いた。 少子化問題については大きな危惧を表明し、現在の特殊出生率1.29は人口を維持する2.1から遥か低い数値であり、緊急かつ長期にわたる問題として、低出生率・少子化に取り組まなければならない。若い世代に対して、早い結婚と出産・育児を奨励していく策として、@産休を16週間に(4週間延長)する。A育児休暇を年6日に(4日延長)する。B育児ケアの無給休暇を年1週間とする。Cベビーボーナスの増額、税金の優遇を強化する。その他を表明した。 |
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