東南アジア駐在員報告



2021年1月 社会・時事
駐在員 : 福田 渉


シンガポールでは、昨年12月28日、新型コロナウイルス感染症対策として実施している経済・社会活動の制限を段階的に緩和する措置の第3期(フェーズ3)に移行した。これまで店内での飲食や集団での活動は、最大5人までと制限されていたが8人に拡大した。イベント会場や宗教行事の人数制限も緩和された。
ただし、発表の際、リー・シェンロン首相はフェーズ3への移行は制限の緩和と同時に感染リスクの拡大を意味することから、引き続き感染対策を徹底するよう呼び掛けた。また、リスクをコントロール可能な想定の範囲内に収める重要性を強調した。その方策として、@感染者の追跡体制の構築、APCR検査体制の拡充、B安全管理措置の順守が示された。
 政府は感染者に接触した人を迅速かつ効果的に追跡するために接触者追跡アプリを普及させてきたが、利用率が向上しないとみるや、同じ機能を備えた「TTトークン」という小型端末を開発して、全ての国民及び長期滞在者に配布した。PCR検査は1日に5万件超を可能にする体制を整えた。さらに、感染防止策に違反した個人や事業者には罰金や営業停止などの厳しい措置が継続して行われるものとみられる。

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