中国駐在員報告
2011年7月 経済 駐在員 : 野村芳一
中国自動車工業協会によると、4月の中国での自動車生産台数は153万5,300台、販売台数は155万2,000台で、前年同期比でそれぞれ1.85%減、0.25%減となり、金融危機以降27カ月ぶりの前年同期比マイナス成長となった。さらに、5月の自動車生産台数は134万8,900台、販売台数は138万2,800台で、前年同期比でそれぞれ4.89%減、3.98%減となり、2カ月連続のマイナス成長となった。
4月に比べ5月の減少幅が拡大した上、販売全体を牽引していた乗用車の販売台数もマイナスに転じており、鈍化傾向が鮮明になった。これにより、中国自動車業が減速傾向を示したことは確実となった。
同協会によると、このことは「優遇政策の打ち切り」、「燃料価格の高騰」、「一部都市での総量規制実施」、「東日本大震災」などの影響による。
アナリストの中には「通年でマイナス成長になるリスクは依然として高い」と話す者もいるが、一方で「中国自動車市場のニーズの底堅さによる潜在的成長力に目を向けるべきだ」という見方もある。
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