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中国駐在員報告
2001年5月 行政 駐在員 : 外山敬三
今年秋のAPECの会場となる上海市や2008年夏季オリンピックの招致を目指す北京市において環境問題への取組みが進んでいる。
上海市においては、公共バスに環境保全型の新型公共バスが導入され、排気ガスの煙は現在の基準より90%も削減され、テレビのニュースで、排気ガスの出る部分に白い布をあて、5分間エンジンをふかしたが、布は黒くならない場面を報道し、クリーンさをアピールしていた。このバスはCNG(圧縮天然ガス)をエネルギー源とするもので、取り敢えず35台が導入され、今年中に200台の更新が行われる予定である。また、上海市内を走っているタクシー4万台全てが、今年末までにプロパンガス燃料車となる見込みである。
北京市でも、1,000店を超えるレストランが一斉に割り箸の「不使用宣言」を出し、森林資源保護を訴えることで「緑色(環境)オリンピック」招致に貢献するのがねらいと見られる。
一方、ここ数年、国民の収入アップや住宅の改善に伴い、今まで購入された多くの家電製品が買い替え期を迎えつつあり、2003年にはピークに達すると予測されている。適切な対策がなされず、直接埋め立てたり、焼却すれば、空気や土壌、水に対する汚染を引き起こしかねず、廃棄物処理が今後大きな問題となってくることは避けられない。
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