北米駐在員報告
2000年8月 経済 駐在員 : 若梅 真樹
たばこ訴訟で過去最大の懲罰金
喫煙による健康被害をめぐる集団訴訟でフロリダ州高裁陪審団は、フィリップ・モリス、RJレイノルズ・タバコなど米大手たばこ5社に対し、総額1,450億ドルに上る懲罰的賠償金支払いを命じた。この金額は、メーカー側5社の資産合計の約10倍にあたり、PL法(製造物責任)による賠償額としては過去最高となった。同訴訟では、たばこメーカーが肺がんなどの原因となる欠陥商品を生産してきたとの評決により、医療費、慰謝料などの賠償金1,270万ドルの支払い命令が下されていた。
今回の評決により、たばこメーカーへのイメージも変わり、反たばこ意識が定着したとみられている。また、ギャラップ社による世論調査では、健康被害の責任は喫煙者自身にあるとして、60%が評決不支持を表明したという。州によってはレストランなどの公共の場所が全面禁煙となっているなど、今後さらに反たばこの動きが加速するのは間違いないようである。
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