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中国駐在員報告
2011年8月 政治 駐在員 : 井口真彦
来年の、浙江省との友好交流30周年を控え、浙江省外事弁公室を始めとする省政府機関と協議を進めていると、最近良く耳にすることがある。以前はそうでもなかったが、近年、省幹部の海外出張が実質的に回数を制限され、訪静についても調整がなかなか難しくなったというのである。
そのような中、7月初旬、全国人民代表大会(全人代)常務委員会が、2010年中央決算の承認決議を採択し、決算で中央単位(機関)の昨年の「三公経費」の支出が初めて公開された、との報道があった。
「三公経費」とは、財政予算から支出される公務による外国出張経費、公用車に関する経費、公務による接待費の3つの「公」費。
情報、言論に対する統制が厳しい中国で、これまで、いわばブラックボックスとなっていたこれらの支出が国民に広く公開され、テレビのニュースや上海の一般市民に最も購読されている新聞でも頻繁に取り上げられ、公金浪費の温床だと公然と批判されているのである。日本人には既視感を抱かせる現象だが、財政の民主化の流れが今後どのような展開を見せるのかは、注目に値する。
今後、両県省ともに、互いにメリットのある交流を積極的に進める地域外交の意義を県民、省民に十分説明し、30周年及びそれ以降の更なる交流の拡大につなげていきたい。
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