東南アジア駐在員報告



2001年8月 経済
駐在員 : 岩城徹雄


    シンガポールのヨー通産相は、725日に総額22億シンガポールドル(約1500億円)に上る追加経済対策を発表した。公共事業の前倒し(2.4億S$)、商業用不動産税の割戻し措置の延長(026月まで; 2.57億S$)、外国人雇用税の減税措置の延長(026月まで; 3.24億S$)、失業者に対する職業訓練費用拡大(0.4億S$)、企業向け融資枠拡大(1.3億S$)などからなるこの対策により、景気浮揚を図りたい考えである。また、昨年の好況により徐々に引き上げられていた中央積立基金(注)の雇用者負担率について、本来の水準の20%に戻す期限を少なくとも年末まで遅らせることも併せて発表した(9.2億S$)。
    シンガポール経済は、6月の製造業生産は対前年同月比マイナス16.1%、対外輸出も5月に対前年同月比マイナス9%と、経済低迷が続いており、第2四半期のGDP成長率は前年同期比マイナス0.8%、前期比マイナス10.1%と大きく落ち込んでいる。政府の今年のGDP成長率予測でも0.51.5%、大学系シンクタンクの予想ではマイナス1%とさえ言われているが、今回の対策では、あまり効果は期待できないとするエコノミストも多い。
      (注)中央積立基金(CPF)

      退職後の年金支給のための積立金で、労働者と雇用主双方が給料の一定割合を強制的に貯蓄する制度。雇用者負担率は従来20%であったが、通貨危機後の経済低迷で99年に10%に引き下げられた。その後の経済回復で20004月に12%、011月に16%まで戻されている。

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