中国駐在員報告



2010年12月 経済
駐在員 : 野村芳一


     上海市統計局が11月15日に発表した同市の10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比プラス4.1%と、上昇率は9月(3.8%)を0.3ポイント上回った。食品類が10.2%上昇し、引き続き全体を押し上げた。
     地元紙によると、上海、深センの2都市と香港の物価を比較すると、リンゴ、卵、トイレットペーパー、シャンプーなど一部の食品が既に香港を上回る水準に達しているという。
    実際に、上海市内では、スーパーに行ったら昨日より豆腐が25%も価格が上がっているなど、市民生活に直結した価格上昇が見受けられる。水道料金も近々今年2度目の値上げを行うという。
    こうしたことから、上海市当局は18日、市人民代表大会常務委員会の会議で、高騰する食品価格の抑制策を多面的に講じる方針を明らかにした。中でも、生活への影響が大きい穀類、油、肉類の価格安定に重点的に取り組むとした。
     具体的には、野菜生産農家への補助金支給などにより野菜の作付面積拡大を図るほか、流通コストの抑制にも取り組む。一方で、低所得者層を対象にした補助制度の検討をする。
    また、国務院(中央政府)は20日、物価の抑制に向け、農産物の増産や物流コストの引き下げ、補助金の支給などを含む、16項目からなる対策を実施するとの通知を出した。
    その中には野菜の増産や食糧備蓄の放出、関連車両を対象とした12月からの道路交通費免除など、供給量増加と物流コスト削減による価格の抑え込みに加え、商品価格の意図的なつり上げも厳格に管理するとした。あわせて各地で最低賃金や失業保険金の額などを段階的に引き上げることなども要求したほか、必要に応じて価格統制に踏み切ることも明記しており、高まるインフレ懸念の抑え込みに本腰を入れる姿勢を打ち出している。

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