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委員会会議録

質問文書

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令和2年12月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:田口 章 議員
質疑・質問日:12/15/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○田口委員
 おはようございます。
 それでは、分割質問方式でお尋ねします。
 まず、今回議案として提案されております指定管理者制度についてお尋ねします。
 議案第151号、152号及び153号ですけれども、いずれも賛成はしようかなと思っているんですが、事業者は継続でそれぞれ1者応募と聞いており、うち2つは県の外郭団体となっています。指定管理者制度のメリットをどう生かしていくかは行政の課題だと思うんですけれども、基本的に競争が働かないのはあまりいいことじゃないと思っていまして、競争が働いていない理由についてお尋ねします。

 それから、指定管理料なんですがファルマバレーセンターでは5年間で2億7400万円、ウォットでは5年間で1億円となっていますけれども、これは減っているのか、増えているのか、変わっていないのかについても教えてください。

 個別に少しお尋ねしたいんですけれども、ファルマバレーセンターについては産業委員会提出案件の概要及び報告事項29ページにあるんですが、以前からお話をさせてもらっていますとおり医療健康産業は世界的な競争下にあるわけですよね。特に最近では国内の他の自治体でも既にかなり力を入れていこうとやっています。せっかく本県は一日の長があるもんですから、今やっていかないとメリットがだんだん薄れてくると思うんですよね。そういった中では以前からお話をしていますが、海外のインキュベーターとの連携やいろいろなことを考えていく段階にきていると思うんですけれども、そのあたりについて御所見を頂きたいと思っています。

 それから、議案第152号の浜松内陸コンテナ基地ですけれども、説明資料42ページにありますが、これは指定管理料がないんですよね。逆に事業者から年間県に納入金を頂いているスキームになっています。1365万円だったと思いますけれども、この納入金の金額の設定についてお尋ねします。
 今回もそうですけれども、指定管理者は公益財団法人ですので、利益を上げる団体ではないわけですよね。個人的な感想ですが、民間企業が受託してくれればもっと納入金が増えないかなと思うわけです。うがった見方かもしれませんけれども、そういった可能性について何か検討をしていないのか教えてもらいたいです。
 それに関連して納入金の取扱いなんですけれども、入ってきてどのように財務処理されているのか教えてください。

 議案第153号のウォットですけれども、説明資料85ページです。
 今回の3件の中ではただ1つ民間事業者とのことです。私は近所にあるものですから時々行くんですけれども、民間参入で非常に活性化している事例だと評価しています。入館者も増えていると思いますが、同じような魚を楽しむ施設はたくさんあるわけで、これも競争が働かないのが少し残念だなと思っているんですけれども、その点について御所見をお聞かせください。以上お願いします。

○佐野総務課長
 初めに、指定管理者の選定に当たりまして競争が働かない理由についてお答えいたします。
 民間事業者が公の施設の管理業務に参入しようとする場合、その業務が自社のノウハウを生かせる業務であるかが大きな判断材料になると思われます。このため例えば一般的な貸館業務のように民間に類似業務があるものはノウハウを有する事業者が多く、参入しようとする事業者も多くなると考えられます。
 このような観点から見ますと、今回の3件のうちウォットにつきましては水族館など類似業務が民間にありますので、事業者が比較的参入しやすくこれまでに実施した5回の公募のうち3回の公募において複数の応募者がございました。
 一方、ファルマバレーセンターや浜松内陸コンテナ基地につきましては、業務内容に特殊性があり特別な知識やノウハウが必要となりますことから、民間事業者が参入するのは容易でなく応募者が限られてまいります。
 このように、指定管理者の選定において競争が働くか否かにつきましては、その業務内容の特殊性による部分が大きいと考えております。

 次に、指定管理料の増減につきましては、前回の指定管理料と比較しますとファルマバレーセンターにつきましては1年当たりで20万円の減、ウォットにつきましては1年当たり約280万円の減となっております。

○三田新産業集積課長
 議案第151号に関連してファルマバレーの海外インキュベーターとの連携についてであります。
 9番委員御指摘のとおり、アメリカのシリコンバレー等の海外インキュベートにおきましては、臨床現場のニーズや優れたアイデアを迅速に医療機器開発などにつなげる優れた仕組みがあります。これらは参考とすべきものが多いものですから、最初にスタンフォード大学発の人材育成プログラムであるバイオデザイン講座を平成30年度から継続してファルマバレーセンターで実施し、地域企業の皆様方に医療機器開発のポイントを学んでいただいています。今年度もスタンフォード大学の池野文昭先生をお招きしてバイオデザイン講座のワークショップを開催しました。医療や光などの先端技術を持っている企業から54人の方が参加し、バイオデザインのアプローチを体験しました。今年度はコロナがありましたので実地とウェブで行ったところです。
 また、今後もシリコンバレー等の先進事例を踏まえて、医療機器を開発するに当たってのよりよいイノベーションを生み出す仕組みを推進していきたいと思っております。

○餅原企業立地推進課長
 議案第152号につきまして、まず納入金にかかる部分ですけれども、浜松内陸コンテナ基地につきましては利用料金収入をもとに管理運営を行っております。利用料金につきましては県の条例を基にその範囲内で指定管理者が設定することができるようになっておりますけれども、納入金につきましては利用料金収入から管理運営費を差引いた額を県が本来受け取るべき納入金として設定しております。
 民間企業の参入は当然想定していますが、先ほども申しましたとおり納入金の設定も含めてなかなか利益が出る仕組みになっておりません。こちらの施設につきましては年間の利用率が100%になっております。収入につきましては上限に達しておりますけれども、管理運営費につきましては年々老朽化が進んでいる部分もあり維持管理費にお金がかかるようになってきておりましたのでその部分で大分厳しくなってきており、納入金の増加自体は現状では厳しいものと考えているためなかなか民間企業が利益を求めて入ってくるのは難しいものだと思っております。
 納入金の取扱いですが、納入金は一般財源の諸収入として入っておりますけれども、使い道としましては30万円を超えるような大規模な維持補修といったものに充てております。

○青木水産振興課長
 議案第153号のウォットの指定管理につきましてお答えします。
 ウォットの指定管理は平成17年度から行っていまして、9番委員御指摘のとおり前回から――平成28年になりますけれども――現在の管理者が行っています。それ以前の入場者が大体7万人前後で推移していましたが、現在の管理者になってから入場者が増えていまして、昨年は約12万人となっています。
 競争原理が働かないとの御指摘でしたけれども、前回のときは3団体が見に来ていました。今回問合せは何件かありましたが現在の管理者が非常にうまくやっていて、なかなかそこで同じ土俵に立てなかったんじゃないかなと考えております。

○田口委員
 指定管理で競争原理が働かないのは、そもそも運営の仕方として指定管理者制度をずっと続けていいのかと思うんですよ。これまでやってきたから同じようにやっているのはおかしいと思っていまして、よりよくする方法は何なのかをベースに考えていただきたいと思っています。それが1点目です。
 指定管理料自体は僅かながら減っているのでコスト面のメリットはあるのかもしれませんが、ウォットの場合は年に280万円減っているということはかなり減っていますよね。理由はあるんだろうと思うんですけれども、いずれにしても指定管理者が企業努力をすることによって受けるメリットが感じられないような、インセンティブをあまり取っちゃうとやる気なくなっちゃうもんですから、そこら辺もうまくやっていただきたいなと思っています。

 内陸コンテナ基地について再質問です。
 維持管理にお金がかかるとお話をされていましたが、昭和46年にできた施設で老朽化対策が待ったなしだと思うんです。昭和46年当時のことを考えると、場所が東名高速の浜松インターのすぐ近くですから当時からすると立地は非常によかったと思うんですけれども、かなり交通ネットワークも変わっていますから、果たしてあそこがいい場所なのかどうなのかも含めて、この先どうするかを考える時期にきているんじゃないかなと思うんです。
 私も4年前に群馬県の太田市がやっているインランド・デポを見てきたんですけれども、これの在り方ももう一度経済産業部として考えられたらどうかなと思いました。確かに企業サイドからすると港までわざわざ行かなくてもいろいろなことができるのでメリットはあるはずなんです。なので今物流なんかも静岡県は非常に力を入れてやっていますし、もしかするともっと可能性がある事業じゃないかと思うんですけれども、今後の方針について所見を伺います。餅原企業立地推進課長は港湾についてもプロだと思いますので、ここら辺のこと本当によく御存じじゃないかなと思うんですけれども、もし所見があれば頂きたいと思います。

○餅原企業立地推進課長
 今後の浜松内陸コンテナ基地の在り方でありますけれども、現在指定管理者である団体と利用者の間で今後の物流を含めた内陸コンテナ基地の在り方を検討しています。その検討結果を受けて新しい物流に対応できる浜松内陸コンテナ基地の在り方を考えていきたいと考えております。
 当時とコンテナの中身も変わってきています。過去は単一の製品を1つのコンテナに入れていましたけれども、今はいろいろなパーツを入れたりいろいろなメーカーを混在したりして運んでおり、なかなか荷を作ることが難しくなってきておりますので、そういった多機能なシステムを作っていかなければならないと思っています。
 ただ、浜松内陸コンテナ基地があることで、周辺の倉庫や工場が保税の施設に指定されております。浜松内陸コンテナ基地自体がないと税関支署がなくなってしまう可能性がありますので、民間の貿易を振興することについていえばどうしても必要な施設だと思っております。存続を考えながら今後の在り方を考えていきたいと思っております。

○田口委員
 これから先の話なのでそういうことだろうと思いますけれども、ものづくり県ということを考えれば非常に大きなメリットがあって先見性のある事業だと思っていましたので、引き続き県の発展にどうつながるかを考えて、餅原企業立地推進課長はよく御存じでしょうから頑張っていただければなと思っています。そうがっくりしなくていいですからお願いします。

 では、次の質問に移ります。
 産業成長戦略についてお尋ねします。説明資料の23ページです。
 昨日もデジタル化についての質問がありましたけれども、骨子案を見まして、コロナに対応したポイントを踏まえた見直しをされていると受け止めています。
 ただ、3点ほど中身についてお尋ねしたいんですけれども、1つ心配しているのが航空機産業への支援です。SOLAEをつくり県としても自動車産業からのシフトというんでしょうかね、支援してきたわけですけれども、コロナ禍で航空機産業が将来どうなるのかが非常に懸念されていると思うんです。既に航空機産業に参入するためにかなり多くの人的投資や設備投資をされている中小企業があると思うんですけれども、そこら辺が困ってないか心配しているんですが、その辺りについて現状を伺います。

 2点目は、5Gです。
 今回の説明資料を見ていると5Gについて特に記載がないんですが、やっぱりいろいろなところで聞いていると遠隔医療などいろいろな可能性があり、特にWoven Cityも今後始まるわけですから、5Gの活用をやっていく必要があると思うんですけれども、その辺りについてどう考えていらっしゃるか伺います。

 3点目ですが、今回陳情も出ておりましたけれども、中小企業のIoT支援についてお尋ねします。
 私も先般、工業技術支援センターのIoTラボを見学させてもらいましたけれども、やっぱり来てもらうと非常に分かりやすいと思うんですよね。あれをいかに中小企業の皆さんに伝えるかが求められていると思うんですよ。つくっただけじゃ駄目だと思うんですよね。今回この産業成長戦略の中で折り込んでいく必要があると思うんですけれども、そのあたりの所見を伺います。以上お願いします。

○櫻川産業革新局技監
 静岡航空機産業プロジェクト協同組合――SOLAEにつきましては、県内金属加工・工作機メーカーで構成されておりまして、現在組合員数は14社となっております。
 SOLAEの組合員企業など地域企業の航空機産業の参入に対しましては、海外航空機メーカーの1次下請である国内大手重工などからの受注獲得に向けた航空コーディネーターによるマッチング活動、また国内展示会出展支援、人材育成や機械設備導入に対する助成、航空機産業参入に必要な認証の取得経費に対する助成など事業拡大に対しての支援を行っています。
 航空機需要は世界的に長期間にわたり拡大を続けると見込まれてきましたが、コロナ禍により急減しております。ボーイング社やエアバスなどの旅客機は減産となっておりまして、それに伴い下請の受注量も激減しています。しかし一方でビジネスジェットやドローンの需要拡大が見込まれていることや、電動垂直離着陸機――いわゆる空飛ぶ車の開発が世界中で進められている状況もあることから、航空機産業としての対象を幅広く捉え県内企業の参入や事業拡大を引き続き支援していく所存であります。

○齊藤産業政策課長
 ただいま頂いた御質問のうち5Gの関係についてお答えいたします。
 5Gに見られます通信技術の飛躍的な発展につきましては、地域企業のデジタル化を加速し自動運転の実用化や工場の生産設備の自動化を促進するなど生産性の向上、それから次世代産業創出の鍵になると認識しており、県としましても産業面での5G活用を促進しています。
 主な取組としまして、例えばしずおか自動運転ShowCASEプロジェクトなどにおきましても5Gサービスの本格的な運用を見据えて、信号制御と連動した自動運転の実証実験をやったり、5Gの基礎知識に関します県内企業向けのセミナーを開催したりといった取組もしております。
 産業成長戦略のコストの関係で言いますと、直接的な記載が見られないとのお話もありましたが、実態としては5Gの活用を産業の創出面で生かしていこうとのことで、DXによる産業イノベーションの項目がありますがその中の1つとして考えております。今後戦略を取りまとめていく中におきまして5Gをどういった形で記載していくかについてはまた調整していきたいと思います。

 2点目です。
 中小企業等を中心としたIoTの導入促進の関係です。
 いろいろな取組がありますけれども、例えば工業技術支援センターで静岡県のIoT推進ラボを昨年度から整備しております。こういったものについて今後ブランチを西部、東部に展開していくことを進めております。あわせて人材育成の強化に取り組むということで、県内大学と連携してIoTの大学連携講座も開設しながら人材の育成も図っていきます。

○田口委員
 航空機産業ですけれども、ドローンや空飛ぶ車などいろいろな可能性がありますが、市場規模からすると多分これまで想定していたものとは少し違うと思っています。私が心配しているのはさっき言っていたNadcapなどいろいろな認証を取るのに皆さんこれまで相当投資をされていて、経営的に大丈夫かなという気もするんですよね。その辺りの支援、目配りはいかがですかね、ちゃんとやられているのかな。

○櫻川産業革新局技監
 冒頭でもお話しさせていただいたように、人材育成、機械設備導入、認証取得とのことで苦慮している次第です。9番委員からもお話があったように、航空機に需要が戻るのは国際航空運送協会――IATAによると2024年頃の見通しになっておりまして、今の状況を考えるとそのとおりに回復するかどうかも不透明な状況だと思います。ただ航空機は部品数が多いし高度な加工技術を有する県内企業にとっては受注獲得が期待される分野でもありますので、早期回復したときに早期参入ができるよう、引き続き人材育成、機器導入、認証取得の経費を補助していきたいと考えている次第です。

○田口委員
 経済状況と市場、その業界の動向に注視してもらって、産業振興財団でサポートされているとは思うんですけれども、見てあげてほしいと思います。航空機産業は県としても力を入れて旗振ってやってきたんですけれども、ここへきて少し方向が変わってきていますので、そこら辺は目配りをしっかりやってほしいとお願いしておきます。
 SOLAEの加盟企業数も一時期より減っているような気がするものですから、やっぱりそこら辺も県として今後どうしていくのかしっかり再構築してもらいたいと思います。
 それから、DXについて昨日も御質問があったのでこれ以上質問しませんけれども、逆に県としてどこまでやるのか。私は民間の力を生かすことが県の役割だと思っています。規制緩和の期待がかなり大きいと思ったので、この間もトヨタ自動車東日本株式会社へ視察に行ったときに質問して答えてもらえなかったんですけれども、邪魔をしないのが私は重要だと思います。そこら辺のところはしっかりとDX化について対応していただければと思っています。これは要望にしておきます。

 施設関係で2つ質問をさせてください。
 1つは農林環境専門職大学についてです。
 今回寮の建設についての工事契約が議案第148号で出ています。それからもう1つ歩道橋の債務負担行為が出ておりまして、これも反対するわけではないんですけれども、考え方としてお伺いしたいのが経済性、効率性をどの程度考えていらっしゃるかです。
 例えば、寮ですと今回10億円ですが、電気設備とかいろいろなものを入れると14億円くらいになるというんですね。9月議会のときにも茶業研究センターのところで坪単価が高いんじゃないかと話をしたんですけれども、これも坪単価に直すと100万円ぐらいなんですね。私は坪単価40万円ぐらいのマンションに住んでいますけれども、学生寮の坪単価が100万円というのはなかなか立派な寮だなと思うんですよね。経済性、効率性の観点をどう考えていらっしゃるか伺います。

 それから、昨日も5番委員から短大の入学者の話がありましたが、農林環境専門職大学につきましては今年度も短期大学部で定員割れしています。今回200人の寮を造るわけですけれども、このように入学生が少ないと寮が埋まらない可能性も出てくるわけですよね。そんなもったいないことをされちゃ困るもんですから、これは大学の入学者の見込みについて昨日同様お尋ねしておきたいと思います。

 それからもう1つ、温水利用研究センターについてです。
 今回、主要事業概要に本所の構造詳細調査をやると出ていました。9月議会のときにも温水利用研究センター沼津分場の再整備のお話があったわけなんですけれども、これもお話を聞いたら2か所造ることによってリスク回避を考えているとのことなんです。経済性、効率性を考えたときに2か所設置することがそのリスクに見合うコストになるのかどうかを検証する必要があると思うんですよ。1か所のほうがコストが安いと思いますので効率もいいと思いますが、その辺りについてどうお考えなのか聞いておきたいと思います。特に御前崎の場合は原子力発電所の温水を利用するとのことだったんですが、今止まっちゃっているものですからボイラーをたいてやっていると承知しておりますけれども、そこらも含めてこれから2か所でやることが本当にいいのかどうか御所見を頂ければと思っています。以上お願いします。

○藤田農業ビジネス課長
 1点目、寮の建設費用10億円程度を今回議案に上げておりますけれども、経済性、効率性についてお答えいたします。
 専門職大学の学生寮については、県が定めました公共建築工事積算基準に基づいて設計しておりますが、一般的な集合住宅などと比べますと長期間にわたって安全・安心に使用できるように長寿命化設計を取り込んでおります。長寿命化設計のポイントとしては安全性、耐久性、メンテナンス性等を考慮したものでして、これによって初期コストが高くなることがあるとは認識しております。ただ先ほどの経済性に関しましては、長寿命化設計の考え方の中で平成28年度に県有建築物長寿命化設計ガイドラインをつくっており、指針では目標使用年数を80年と設定して今言った幾つかの視点で長寿命化設計を図っておりますけれども、全ては生涯コストの縮減といった観点で経済性を考えております。

 2つ目の入学者の見込みです。
 推薦型の選抜が行われた令和3年度につきましては、4年制では定員12人に対して25人が受験し定員と同数の12人が合格となっております。短期大学部につきましては定員80人に対して80人が受験し76人が合格となりました。昨年度は欠員が出てしまいましたけれども短期大学部の合格者の実数は18人増加しており、現在おおむね定員を充足する結果となっております。今後来年2月に一般選抜を4年制、短期大学部について行う予定ですけれども、推薦型選抜の結果あるいは昨年度の一般選抜の志願状況等を踏まえますと、最終的にはおおむね定員が確保できるものと考えております。入学者の確保につきましては学校や学生からの問合せも既にありますので、丁寧に対応して引き続き大学のPRに努めてまいる所存です。
 この入学者の見込みを踏まえますと、御心配のありました200人の寮が十分活用されるのかということですけれども、寮につきましては1年生を全員入れるということで、入寮見込みとしましても短大で100人、4年制で24人の入寮で、当然来年度また短大で100人、4年制で24人がさらに増えます。全員を入れるということであれば難しいんですけれども、教育的観点から基本的に1年生だけを全寮制といたしまして、2年生につきましては過去の農大の学生で遠方から来られている学生の割合、あるいは全国の高等専門学校の入寮希望者の割合を参考にして一定の人数を見込んでおります。そういう意味では230人の学生寮がおおむねうまく活用されるのではないかと、希望者も全て希望どおりに入れる形で充足されるのではないかと考えております。

○花井水産資源課長
 本県沿岸でも水産資源は非常に減少する状況であります。その中で種苗放流は、人為的に、積極的に沿岸漁業を増やす方法として大変重要と認識しております。
 放流に必要な種苗ですが、9番委員から御紹介ありましたとおり、御前崎市にある温水利用研究センター本所と沼津分場の2か所で生産しております。この2か所の生産体制につきましては、平成30年度に外部有識者5名をお招きしまして検討会を行ってまいりました。正式名称が今後の種苗生産の在り方検討会であります。この中で議論した結果、種苗生産中に発生する病気による大量へい死や全滅、また生産した種苗は非常に小さいものですから長距離輸送によるへい死のリスクがあります。そのリスクを分散するために2か所体制は維持すべきと提言を頂いております。種苗放流の重要性に鑑み、今後も引き続き2か所体制での種苗生産をやってまいりたいと考えております。

○田口委員
 まず、農林環境専門職大学ですけれども、説明は分かりました。やっぱり入学者を増やそうと思ったらカリキュラムと言いましょうか、コンテンツだと思うんですよね。お話を伺っていると愛知県から来ている学生がいると聞いていますし、期待を込めてお話をさせてもらっているわけですけれども、ぜひ中身を磨き上げてもらって、どうせなら本当に役に立つ施設になってほしいものですから、その点についてはフォローもしければなと思っています。
 ライフサイクルコストといいますか、トータルコストを見ているとお話を聞きましたけれども、私今まで結構いろいろな場面でトータルコストについて把握しているかと質問して、していると聞いたことがないんですが、今回ちゃんとやってくれているのでこれからはぜひそういう感覚も皆さん持っていただきたいと思います。ただやっぱり私たちの家よりも高いですよね。僕のマンションも80年ももたないでしょうけれども、50年ぐらいもってほしいと思いますけれどもね。
 温水利用研究センターですけれども、確かにリスク分散という知識が私も少しなかったものですから、例えば地震などといったリスクに対しては、南海トラフ巨大地震があったら沼津も御前崎も変わらないだろうと思っていたんですが、そうじゃなくて種苗の育成のリスクなので、これについてはそういうこともあるんだなと思いました。
 やっぱり2か所運営するならするで、経済性、効率性についてはしっかりと考えてもらいたいと思いますし、種苗育成自体は非常に重要だと思っていますので、その点についてはまた頑張ってもらえればと思っています。中身については理解をさせてもらいました。

 最後に静岡県の新ビジョン評価書案について数点お伺いします。
 まず、評価書案140ページ、5-1の成果指標で製造業の従業者1人当たり付加価値額を取り上げてもらいました。私以前から付加価値額を目標にしたほうがいいんじゃないかと話をしておりましたので、これについてはいいなと思うんですけれども、全体でこの付加価値額が一番最初に出てきている割には、例えば153ページの地域企業ところのでは製造品出荷額になっちゃうわけですよね。もちろん売上げが上がらないと利益も上がらないですから両方見ることが大事なんですけれども、私は県に豊かさをもたらすのは付加価値だと思うわけです。中小企業の育成に当たっても付加価値を高めることは生産性を高めることにつながりますから、もっと指標として設定すべきじゃないかと思うんですけれども、その辺りについてまず1点聞きたいと思います。

 2点目は、評価書案159ページです。
 商業とサービス業に関してですけれども、これは今県が喫緊の課題として取り組んでいる人口減少対策にも関係すると私は思っています。例えば若い女性が県外流出する理由は働く場所がないことが一番だと聞いていますので、この5-2は非常に重要だろうなと思うんです。
 そうしたときに、活動指標を見ると、ふじのくに魅力ある個店WEBサイト閲覧回数とあって、んって感じがしましてしかも下がっている。あとデザイン相談窓口の相談対応件数や静岡県ヘルスケア産業振興協議会の会員数は否定しませんし頑張っているけれども、活動指標としてピンポイントすぎやしないかなという気がするんですよね。時間もありませんのでくどくど申しませんが、昨日も6番委員の質問でありましたけれども、商店街のサポートとかエリアで活性化をしていくこととか、あるいはブランド化なんて言葉が160ページの表の上にあったりしますが、こういうところをもっと支えるような事業を進めるべきじゃないかなと思うんですけれども、そのあたりについて所見を伺います。

 最後に、評価書案172ページについて。
 ふじのくにショールームの整備を進めているといまだにあるんですけれども、私は以前からこの効果について疑問視をしていました。今これだけデジタルマーケティングとかいろいろなことが進んでいる中で、果たしてこのマーケティング拠点を東京に置く――年間で億単位の金を払ってやっている団体がありますけれども――必要があるのかなと思っています。それこそクラウドファンディングなんかでマーケティングに活用する事例は今もう日本中でやられているわけですから、そういったことのデジタル化をもっと考えられたほうがいいんじゃないかなと思うんですけれども、以上3点についてお尋ねします。

○齊藤産業政策課長
 総合計画の指標についてのうち付加価値額の設定の関係につきまして、答弁させていただきます。
 5−2富を支える地域産業の振興の政策の評価に当たりまして、地域企業の売上高や販売額といった経済規模だけではなく、企業の生産活動によって新たに生み出された付加価値額は住民の豊かさを表していくのに近いため、それを評価することは非常に大事であると考えております。その趣旨は理解しているつもりですけれども、仮にその付加価値額を指標とする場合にどういったデータを採用していくか統計データの技術的な課題があると考えています。
 先ほど9番委員から御指摘があった5−1次世代産業の創出と展開では、工業統計に基づき製造業の従業者1人当たりの付加価値額を設定しております。5−1では医療健康産業や食品、次世代自動車などの製造業を中心にした取組になっておりますので、工業統計に基づき設定しています。
 一方、5−2富を支える地域産業の振興につきましては、中堅中小企業の振興や基盤強化、商業とサービス産業の振興など製造業以外も含めた取組であり、これをもとに成果をはかっていくため工業統計以外の統計データを追っていく必要があるか考えています。いずれにしましてもデータとしてどういったものがふさわしいかもう少し研究を進めまして、今後さらに指標の設定について検討していきたいと思います。

○山下地域産業課長兼商業まちづくり室長
 サービス産業の振興の関係でお答えいたします。
 9番委員からは、若い女性の働き場所でも重要だと御指摘を頂きました。私どもといたしましても商店街をはじめとして非常に厳しい状況と認識しております。そういった中で商業を盛り上げていくには9番委員御指摘のように若い女性に来ていただくとか若者の呼び込みを施策として考えていかなくてはいけないと思っております。
 その1つの例としては、リノベーションで外から人を呼び込む重要な施策だと思っておりまして、リノベーションを通じた商店街の活性化に取り組んでいきたいと思っております。
 あと、マーケティングやエリアの面的支援はリノベーションでやっていきたいと思っておりまして、ブランド力の向上につきましてもこれからウイズコロナの中でデジタルをどうやって活用していくか、引き続き検討しながら新しい施策に生かしていきたいと思っております。

○土泉マーケティング課長
 まず、ふじのくにショールームにつきましては、マーケティング戦略本部会議の民間有識者の御意見や民間のアイデア募集を通じて、いろいろなものを総合的に勘案しながら物件調査や運営体制等を検討してきたところです。依然として都内の家賃等は高止まり傾向で推移していることと新型コロナウイルス感染症の拡大により実店舗での設置が非常に困難な状況にあるといったことは承知しております。
 こうしたことから、現在は比較的好調なECによる物販やデジタルを活用した商談、マッチングなどネットを活用した手法も積極的に導入し、またノウハウの蓄積にまず先行して注力すべきだと考えています。今年度につきましては特にウェブ上に県産農林水産物や加工品を掲載するデジタルカタログを整備することとして現在準備を進めています。
 当面、社会情勢の推移を注視しつつ、デジタル技術を活用した遠隔、非接触の手法に積極的に取り組みまして、今後ふじのくにショールームの在り方全般を検討してまいりたいと考えております。

○田口委員
 もう時間もないので要望だけにしておきますけれども、やっぱりせっかくデジタルという新しい技術があるからこれを活用するのがいいと思っています。逆にデジタルの場合は県外のものを買いやすくなっちゃうものですからリスクもあるわけですけれども、魅力のあるものを伝えることが重要だと思っています。それをぜひやってください。
 商店街、サービス産業関係ですけれども、これも指標の話をしましたが、個別の事業のPDCAをかけるだけじゃなくて、もっと面的にと言いましょうか、県として力を入れていってほしいので御意見として申し上げました。
 それから、付加価値額のところも生産品出荷額でも別に構わないと思うんですけれども、中小企業ってたくさん業種がありますからデータを取ればいろいろなものが出てくると思うんです。そうしたときに、今はEBPMとかって言うじゃないですか。データに基づいてこういうビジネスモデルがうまくいくんだとかがあれば、いろいろこれからも参考になるから、そういう検証をぜひしてほしいなと思って取り上げたわけです。ぜひお願いしたいと思います。
 最後に要望だけしておきますけれども、Eコマースの話もありましたが、昨日の天野経済産業部長の説明でも、評価書案176ページで県産品を選んで購入する県民の割合が下がっているとありました。バイ・シズオカやバイ・ふじのくにとか言葉はいいですけれども、地産地消でいいと思うんですよね。要は自分たちの域内経済を回していこうよといったメッセージをもっと発信したほうがいい気がしましたので、その点についてはまたぜひ頑張っていただければと思います。終わります。

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