• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 委員会補足文書

ここから本文です。

委員会会議録

委員会補足文書

開催別議員別委員会別検索用


令和元年12月多文化共生推進特別委員会
一般社団法人グローバル人財サポート浜松 代表理事 堀永乃 氏 【 意見陳述 】 発言日: 12/03/2019 会派名:


○堀永乃氏
 グローバル人財サポート浜松の堀と申します。
 ことしでいよいよ9年目に差しかかるというところで、当初は私、浜松国際交流協会でプロパー職員を務めておりました。10数年、ずっとそこで、外国人施策のいわゆる現場畑におりました。リーマンショックを機に、外国人の人たちが、自殺をしてしまうとか、優良な企業さんであったとしても、派遣会社さんの都合によって、もう仕事はないよと言われてしまうと、子供の教育に非常に響きまして、子供が高校に行けないとか、通っていた外国人学校も行けなくなってしまって、日本の学校はいじめがあるからといって行けなくなってということがありました。
 でも、中にはブラジル人やペルー人の中でも、看護師の資格を持っていたりしたので、介護の業界に新しい風が生まれるんじゃないかなと、進路の開拓という形で、外国人就労の支援を始めることを決めました。もともと外国人のための施策がメインだったんですが、私は外国人にも、納税しない人はちゃんと働けと伝えました。働けるようにしていくために、もちろん私たちのサポートが必要だから、絶対それはやるから、ちゃんとついてきてくださいと言って支援をして、ちゃんと介護の施設で就職をしたら、非常に高い評価を得ることができました。そういったこともありまして、じゃあ介護の職にちゃんと就職ができるような形をとっていこうと思ってつくったのが、グローバル人財サポート浜松です。
 また、外国人の介護人材の育成だけではなくて、技能実習生で来られている外国の方たちに対する教育もしかりですし、浜松には留学生ですとか、大学生の中にも外国にルーツのある子たちもいます。そういった子たちがより活躍できるようにしていこうと、次世代の育成もしています。それが、グローバル人財サポート浜松です。
 2018年度の国際交流基金の地球市民賞を受賞させていただきました。静岡県では2例目で、吉林副知事にも御同席いただいて、パーティーなんかもさせていただきましたが、本当にたくさんの皆さんに支えていただきまして、地球市民賞の賞をいただきました。やっと地球市民に認められたのかなと思ってはいます。
 具体的には、5つの取り組みをしているんですが、議員の皆さんに、どうしてもこれは感じ取っていただきたいなと思うことがあるので、その辺も踏まえてお話をしていきます。
 少子高齢化に伴う人口減少の社会において、労働力不足、どのぐらい危機感を持っているかといいますと、企業の7割がまずいんじゃないかと思っています。実際に、それこそホテルさんですとか、飲食業さんなんかでは、外国の方が働いていらっしゃいます。浜松駅のJRの高架下にあるセブンイレブン、今、13カ国の外国人アルバイトがいます。セブンさんは、セブンイレブンだけでも既にもう5万人の外国人が働いているという状況です。ヤマト運輸さんのバックヤードにも、もちろん外国人留学生がいたりとか、本当にいろんな分野で外国の人たちが活躍しているところをごらんになることもあると思います。どこか出張した先のホテルでベッドメーキングはマリアがしましたなんていうこともあったと思います。かなり多くの外国人が働いています。
 それを具体的に見てみましても、260万人近くの外国人がいる中で、150万人の外国人が、おととしに比べて20万人ペースでふえている。ミャンマーは、ことしで多分、1万人超えます。全体としてはまだ実際に5,000人ぐらいなんですけれども、年々ふえていく状況。そのスピード感も、物すごく速い状況にあります。国籍別に見てみましても、最も多いのが中国、ベトナム、フィリピン、ブラジル。これ、静岡県はまさに日本の縮図と言えるような状況で、静岡県在住の外国人の国籍の上位4カ国と全く同じ状況です。
 中国の方たちは、もともと日本人の配偶者で来られている人たちがいますし、一方、留学生で来られて、そのまんま日本で就職されている方たちもいますが、ベトナムやフィリピンがどうしてこんなにふえたんだろうかというのを見てみます。在留資格別で見ると、圧倒的に身分に基づく人たちが最も多いんですね。これは静岡県もそうなんですが、フィリピンや中国人の日本人配偶者の人たちが、例えばスーパーのおそうざい屋さんで働いているとか、あとは日系人、ブラジルやペルーやアルゼンチン――アルゼンチンの人は余りいませんが、ブラジル、ペルー、ボリビアの人たちがここに当たります。急にふえているのが、ここの技能実習の30万人と、資格外活動の30万人です。この資格外活動というのが、いわゆる外国人留学生。学業が本業ですので、本業以外の仕事をするからということで、資格外活動の許可をもらって働かなければなりません。
 技能実習の人たちは、今後、特定技能に切りかえることができる対応になっています。ことしの9月から、切りかえることができるようになりましたので、この後、特定技能にも移行していくだろうという母数になります。
 特定活動は、EPA、海外連携協定で、介護士の本格的な国家試験を受ける人たちもここに入りますし、オリンピックのための建設労働者というのがあります。ですから、オリンピックが終わったらもう帰ってね、なんていう人たちもここに入っていたりはします。
 専門的・技術的分野というのは非常に狭い門でして、なかなかここに、外国人がいっぱい入れるかといったら、いやいや、浜松や静岡とかではなく、世界で比べてみたら、深圳に行ったほうがいいなとか、中国行ったほうがいいな、カナダ行ったほうがいいな、なんていうふうに行かれる方たちも中にはいますから、ここの数は横ばいの状況で、そんなに大きくふえたというふうな感じはしていません。
 いずれにしても、この技能実習と、資格外活動の著しい増加というのは、ちゃんと把握をしておかなければならない状況です。産業別に見ましても、製造業が最も多く、次に小売業、セブンさんとかのコンビニさんとかイオンさんとかですね。それから宿泊業・飲食サービスといったところに外国人の方たちがいますが、この主要の大体7割ぐらいのところが、まさにオリンピックに伴って必要になってくる業種なんですね。
外国人の労働者を見てみると、その増加は製造業の発展とリンクしているんです。これを知らないで、外国人支援をしている人たちは、常にモグラたたきのような状況をしなければならないですし、外国人の支援の中でも、日本語教育をしている、子供の教育をやっている人たちなんかも、この背景を知らないで、とにかく目の前にある課題をやっつけているような状況です。この背景をわかってみると、2年先、4年先、むしろ10年、20年先の日本の政策が、どうあるべきなのかを、経済界とリンクさせながら考えることができるので、私は今、外国人支援をしている人ですとか、日本語教育に携わっている人たちに、この話をしています。これは、浜松市の人口推移でお伝えさせていただきたいと思います。
 静岡県の中でも、浜松市も全国の縮図なんて言われています。1990年に入管法が改正されました。このときの入管法で定めた内容は、日系人というビザです。日系人にしたのは単純でした。日本語がわかるだろうと思ったのです。日本語がわかるだろうと思ってみたら、わかる日本語は便所だけだったとか。日本人にルーツがあるから、日本語わかるんじゃないのと思ったら、おじいちゃんから、おばあちゃんから教わったときの内容なので、自分のことを私と言うんじゃなくて、おれと言ってみたりとか。田舎言葉の日本語を使ってみたりすることができるくらいな人たちだった。
 なぜここで、入管法で日系人を分けたのかなと見たところ、1992年に大きな出来事があったんです。それが、バルセロナオリンピック。オリンピックって、何で見ますかと言ったら、簡単ですよね。テレビです。テレビは、生産していかなければ、計画的に物はでき上がりませんから、2年前からデザインは決まっていて、つくり始めてくるわけですね。
 次に、ソニーのV字回復があったんです。1994年、プレステ発売もあるんです。ここで、ソニーさんとか、富士通さんとか、NECさんとか、ノート型パソコンなんかもどんどん新しくなっていって、常に機器の新しいものが生まれ始めてくるんですね。カメラ付携帯電話が2000年です。ここで、でき上がってくるということは、一気にふえてくるのは当たり前だなと思いました。
 さらに、一番驚いたのが、2008年にiPhoneが発売されています。この年に、浜松のブラジル人が最も多かったんです。ということは、ここで発売されるわけだから、発売されるもとになるものをつくっている人たちが多いのは、当たり前じゃないですか。というところで考えると、2018年に骨太の方針を安倍首相が発表されて、2019年、ことしに特定技能ができた。2020年にオリンピック。この、1990年と1992年の状況と、私たちはまさに同じような状況にある。ここから、過去に得た経験値の中で、これからのことをどうするかというのを決めなくてはならないというのがわかってきます。
 常に、ものづくりが新しくなればなるほど、そのときに外国人がふえる。つまり、イノベーションを起こしてって言われれば言われるほど、そこにつくり手が必要になってくるので、外国人が求められていくということです。ですから、システムエンジニアにも外国人がいます。今、東京の東芝さんには、ことし100人のシステムエンジニアが入ってきています。そのぐらい、やはり機器が、ITが発展すればするほど、その末端の仕事をしなければならない人のところにも、外国人労働者がいるということですね。
 法案とか制度をまとめてみても、足りなかったから、やっつけてきたというような内容と、そのたびごとに問題が起きてきて、それから国連から批判を受けて、人身売買じゃないのって言われたから、見直そうなんていうふうにやってきていて、たてつけはすごく、とんとんつくってきてくださるんですが、中身がないというか、3匹の子豚の一番最後のれんがの家にはいつになるんだろうと。木の家まではできたかもしれないけれども、それでも壁がないような状況で、一体どこの玄関から入るのなんていう、まだあやふやなところがあったりする。
 こうした中、外国人材の受け入れ、共生のための総合的対策案を出してますが、これを出したところで、自治体全体が本当にそれに向かって動いているかといったら、まだまだ不安定。特に、特定技能の外国人は、転職が可能になります。つまり、これまでは静岡県のとある製造メーカーさんの自動車部品をつくっていたけれども、気に食わないわ、じゃあ私、愛知県の豊橋市の何とかに行きますということが可能になります。5年後には、家族帯同が可能になります。家族帯同が可能になってきたら、13歳、14歳の子供たちだって来ます。ずっと長くいるかどうかは、本人たちの意思です。
 ちなみになんですが、ミャンマーで話を聞いてきたところ、韓国と日本というのは最大のライバル関係にあると言っています。どっちを選ぶか。言葉のなり方も勉強の大変さも変わらない。韓国のほうで言うと、韓国は入る前にかなりサポートがあると。N何とかじゃなきゃいけないとかいって、韓国語のレベルを定めるのではなくて、それは入ってから学べるようになっているという話があったりとか、多文化家族支援法というのがあって、家族を伴っている場合のサポートが、法律として決まっているから、各都道府県で労働者としてやってくる外国人の保障をちゃんとするというのは、韓国のほうが先に進んでいます。じゃあ静岡県はできているけれども、隣の長野県ができているかとか、岐阜県ができているかといったら、そうではないことが多分にあります。考えてみると、何も知らなかった子が転職で静岡県に来ることも考えられます。何も情報がなかった人が家族を伴ってやってきて、学校へ行くこともせずに、ずっとその辺にいたら、1990年から1998年にかけて、不就学、不登校の外国籍の子供たちにあふれ出ていたあの時代のように、またふえてきてしまうことになります。そう考えてみると、自治体レベルとして特定技能の労働者をどうするかということを、ちゃんと把握しておかないと、今後、私たちは優秀な人材だろうと思って入れてちゃだめですよということを、やっぱり考え直して、施策の中に多文化共生であったりとか、外国人をサポートする体制の的確なものを考えていく必要があるのではないでしょうか。
 2025年までに外国人材を50万人受け入れると言っていますが、介護の業界では、もうその人数では足りないという話も聞いています。ただ、外国人材はどうしても、労働力の調整弁になってしまっているところがあります。これは、誰に言われたかというと、フィリピンの送り出し機関にも、ミャンマーの超有名な送り出し機関にも言われました。静岡県は手ごわい。何でですかと聞きました。本当にきのうのこの時間帯です。J−SATさんという、ミャンマー最大の送り出しの――送り出しと言っても日本だけではなく、全世界に対してやっているところなんですが――オーナーさんは日本人の方で、教育もすごく熱心で、1年間でN3レベルまでの日本語能力を習得させるぐらいの学校というか、機関なので、すごくやっているんです。すごくしっかりされていらっしゃるんですが、何で静岡県が手ごわいかというと、ブラジル人やペルー人で、安価な労働力の値段を知っているから、どんだけの金額に下げてくるかしか交渉がないと。ほかの自治体は、ちゃんと手取り11万円ですよとか、13万円ですよと言ったら、そこにちゃんと理解はあるけど、静岡県の自動車メーカーさんたちの派遣会社さんたちが、とにかく人数を減らしたり、金額を減らしての営業しかしてこなかったから、なかなか静岡県にミャンマー人を送ることはできないと言われました。
 でも、介護の業界には今度入ってくるので、そういう話を聞くと、海外からも選ばれるか、選ばれないかというのがあるんだな、なんていうことも感じました。だからこそ、グローバル人財サポート浜松は、人は地域の財産という理念を持って、どんな国の人であっても、浜松に暮らす、もしくは浜松近郊で暮らす外国人の人たちが、ああ日本に来てよかったな、浜松でよかったなと思ってもらえるようにしていかなくちゃならないなと考えています。
 日本に暮らしている外国人の高齢化も進んでいます。高齢化が進むということは、死に場所が最後、どこになるかということになりますから、そういった最後の、要は揺りかごから墓場までのところの全体的な、総括した支援が必要なんじゃないかと思って、活動を続けさせていただいています。
 一方、私たちだけでやっていくには、かなりの厳しさがあるものですから、私は次世代の大学生の育成にも力を入れるようにしています。
 よく、グローバル人材、学校などではグローバル人材化とか、グローバル人材スクールとかって言われるんですけれども、グローバル人材って何か、あんまり理解されていない人もいます。何かというと、英語が話せりゃグローバルみたいな、英語コンプレックスみたいに思っちゃってるんじゃないかなんていうところがあったりしますが、文部科学省はこう言っています。世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて、関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間としているわけです。こう考えますと、浜松にいる大学生、静岡県にいる大学生が、日本人、外国人問わず、誰がライバルになるかといったときに、東京に進学した仲間でもなく、大阪に進学した同級生ではなく、ミャンマーやベトナムや、シンガポールやマレーシアといった発展途上国の中でも、本当に優秀な人材たちが多数います。例えばミャンマー工科大学と言えば、東京工業大学と同じぐらいのレベルですとか、ハノイ工科大学と言えば、東工大ともうレベル変わりませんなんて言われているような技術が上がってきている、知識も上がってきている、教育レベルもだんだん上がってきている。その中で、静岡大学の工学部の学生は戦わなくちゃいけないんだとなったときに、視野を日本の国内だけで持っているんじゃなくて、世界全体で考えられるようにしていかなくちゃならない。それをなかなか、教育の中に植えつけることが難しいので、私たちは今、身近にいる、浜松の大学生に、外国にルーツのある人であったりとか、外国人の皆さんへの支援活動に、学生たちを送り込むって言ったら変ですけれども、携わってもらうようにする、促していくことをさせていただいています。
 浜松もそうですが、静岡県も大分、第三世代、つまり日系三世の子たちがふえてきましたから、もともとルーツのある子たちがたくさん生まれてきています。先日、ここに来られていた池上先生のところにも、教え子さんで、それこそブラジルの子でスズキに入ったりとか、鈴与さんに入ったりとか、浜松や静岡を代表するような一流の企業に就職されて、活躍する人たちも生まれています。一方、介護の業界で言うと、介護保険課の調査を見ていただければわかりますが、8割の御利用者さんが、外国人によってサービスされることに好意を持っています。日本人よりも、もしかすると優しいとか、温かいとか、何でも話せるなんていうふうにして思ってくださっている利用者さんもいるかもしれません。
 私も、聖隷さんですとか、天竜厚生会さんなんかに視察に行かせていただいたり、私どもの教え子を見てみても、外国の人のほうが明るくて、施設もよくなって、利用者さんもとてもうれしそうだなんて話を聞くと、外国にルーツのある人が次のステージに上がっていくことが、実は日本社会にとって、とても価値のあるもの、彼らの強みが私たちの地域の強みになるということを強く感じられることがあります。具体的に言うと、先ほども申し上げたような、企業が海外進出するときに、交渉人としての窓口になってくれる。これは、例えば、浜松のベンチャー企業さんが、今、ドイツ人の静大の留学生なんかをどんどん採用しています。
 今度、パナソニックさんから10億円ぐらいの融資をもらって、ドイツに行くというときに、社長本人が行かなくても、自社の商品のことをよくわかっている、留学した卒業生で技術のある子が、実際にドイツの、自動車メーカーの品評会等でプレゼンをしてくるなんていうことがあると、やっぱりドイツの人からすれば、ドイツ人や、その言葉がわかる子に直接言ってもらったほうが、なるほどなって納得もできますし、細かなニュアンスがちゃんと伝わっていきますので、かなりの営業戦略になります。
 また、多言語サービスの提供もできるということは、介護の場合ですと、外国人の介護サービスが必要な人がお客様になるということです。例えば病院の看護師補助の形で入られるフィリピンの方たちがいると、フィリピンの御両親がちょっとの期間、手術をしてもらいたいからといって日本に来て、病院の手術をしてというときも、本人の家族がいなくても、そういった助手の方がいれば、安心してその病院に入院してもらうことができます。そういったインバウンド的な医療の部分でも、多言語サービスができるということは強みになっていきます。
 また、私たちマジョリティに対して、新しい気づきを与えてくれるということが、多分にあります。その人がその国の代表選手ではないけれども、外国の人たちと交わることによって、日本人の弱さとか、私たちが足りてなかったものに気づくことがあります。それは、コミュニケーションを、例えばスキンシップのような形でとっていくようなフィリピンの子たちを見ると、私たち苦手だなと思うことが、彼らにとってできるんだったら、じゃあそこはあなたにお願いをして、細やかなところは日本人がやったほうが得意だよねなんていうふうにして、日本人の得意、不得意もわかってくるということは、そのいいとこどりをお互いにできるということになります。だめなところを押しつけていったりとか、目立つようにさせていってしまうと、それでどんどん質は下がってしまいますが、お互いにいいとこどりをしていく、常に高めていくということをすれば、クオリティー全体が上がっていきますから、私たち側の学びになるということを思うと、日本人にとってクオリティーが上がる、日本人社会にとっていいことになるということがわかります。ですから、多様性は絶対的に強みに変わると私は思っています。
 静岡県内でも、外国人の高齢者の問題について、しっかり取り組んでいる自治体さんって、まだ私、出会ってないです。この前、浜松市を視察したいということで、総務省の外郭団体である自治体国際化協会の皆さんが、全国27都道府県、27都市から浜松市に視察に来られました。皆さん、市町の職員の方です。同じ静岡県のとある市の方が来られたんですけれども、うちの市はまだ全然できていないということに気がつきました。もっとちゃんと本気で取り組まなきゃいけないなんてお話がありました。その一つが、外国人の高齢化をちゃんと把握してなかったことです。
 これは、浜松市も全然把握していませんでした。何でわかったかというと、私がやいのやいの言ったからです。生産年齢と高齢者の人口の推移をちゃんと出してくれと。その数がどのぐらいの推移で変わっていったかわかるでしょうって見たら、もう浜松は1,000人近くの高齢者がいるんですよ。この人たちも介護保険料払ってますから、介護サービスを受ける権利があります。この人たちのサービスをちゃんとできるようにしておかなくちゃいけないというのは、介護業界でも考えなくちゃいけないことですし、市町の担当者の方でも、ソーシャルワーカーさんとか、ケアマネジャーさんとかに対して、外国の人たちが、まさかと思うけれども介護サービス受けられなくて苦しんでいるんじゃないかとか、そういうことを考える機会をちゃんと持ってほしいなと思います。
 なぜそれも言えるかといいますと、介護認定受けてる人は、もう100人超えてるんです。認定を受けてる人たちのほとんどが、別に老年の外国人だけではないです。ここには、例えば自動車事故のために下半身不随になってしまったベトナムの方がいたりします。たまたま聖隷浜松病院に、聖隷クリストファー大学へ進学をしていたベトナム人難民の子供が、理学療法士で入ってたんです。だから、ベトナム語がわかるということで、その下半身不随になってしまった人は、リハビリテーションからベトナムの方にかかわってもらって、ベトナム語でやってもらうことができる。そこで安心して医療サービスを受けることができるなんてことがあるんですね。この事例は、多分全国どこ探してもなかなかないです。やっぱりもともと外国人を受けて入れていたからこそできたことですし、新しい人たちが困っても、ちゃんと先輩の、先に住んでいた外国の人たちが、後輩のために助け合うような形ができているというのは、これ、静岡県の強みなんじゃないかなと私は思います。やはり全体と見て、介護のサービスが受けられないなんていうことがないように、各市町、伊豆の国市だってそうでしょうし、東のほうの富士市のほうだってそうでしょうし、必ずこういう人たちがいるということを認識しておく必要はあります。
 外国人の介護人材がいれば、滞在年数が長期化された外国人にとっては、安心して年をとることができる町になります。私たちは、若い子たちが住みやすいというところにフォーカスしがちですが、一番最後、死ぬときに、ここじゃ死ねないなんていう町であったら、やっぱりだめなんじゃないかなと思います。そう思うと、高齢化が進んでいる外国人がいることを考えたら、何年後に、何人の外国人ワーカーがいたらいいのかということを考えておく必要もあるでしょう。
 さらに、安定した職業についてもらうということが、何よりも外国人の就労支援の中で必要なことです。不安定な雇用でいるよりは、安定した就職をしてもらったほうが、子育てもしっかりしてくれます。そういったところでは、介護職を希望する人たちがいるので、その人たちに介護の仕事を担ってもらいたい。介護の仕事をやりたいと言っている外国人がいるというわけですから、それを拒む必要もないです。あとは、施設側の受け入れ体制をつくっていって、意識が醸成されれば、確実に就職はできるような体制になりますので、そうした外国人の希望というのもかなえられるような世の中にしなければなりません。
 さらに、何度も申し上げているように、多様な介護サービスの提供ができますし、利用者からの評価が高いということは、働き手がない、ないと言われている介護の業界にとって、外国人の人たちを入ることによって、利用者は幸せにいられるということになります。ぎすぎすして人が足りなくて、ばたばたして、サービスが不十分な介護施設をつくるぐらいなら、外国人の人も笑顔で働けて、外国人のよさをうまく活用して、利用者にとっていいサービスが提供されれば、これこそあの町に行けば最後だってとても充実した人生を全うできるよというふうになりますから、生き方ランキングというか、生きていてよかったランキングの都道府県の中に入るんじゃないでしょうか。
 在住外国人支援の日本語教育では、この前、知事が平野ビニール工業さんのところに視察に行かれたということですが、あそこの日本語教育、私がやっています。すごく話せるようになるんですが、ここの企業の中で日本語を教えられて、しかも効果的に即戦力になるような日本語を教えられるような人が、実はいない。日本語学校で日本語のテキストを持って、はい、教えてくださいなら、できる人がいる。でも、企業が動いている中で、仕事が終わって疲れていて、それでも楽しく学びましょうということができる日本語教師の育成までには、実は十分に至っていないです。これが今、私たちの最大の課題。
 なので、私、静岡文化芸術大学とか、日本大学の学生で、日本語教員養成課程をとっている子たちに、とにかく現場に来なさい。ここで見てごらんなさいということを教えています。もともと日本語教師にさせたくて来なさいと言っていることではなくて、彼女たちが製造業で働く可能性というのは、絶対にあるんですね。人事担当とか、総務担当とか。その子たちが、ボランティアで自分の同僚の外国人に教えるようになったとしてもいいかなと思って、兼業もできるのであれば。本来は、朝から夕方までは総務の仕事だけど、夕方5時半ぐらいからは、日本語の先生を社内でやってるなんてことがあったらいいなと思って、彼らの育成に力を入れています。
 といいますのも、日本大学で、毎年約50人の日本語教育をやりたい子たちがいます。静岡文化芸術大学も同等数がいます。しかし彼らは、日本語教師は金にならないと思っているので、就職先の職業にならないと考えています。実際に、そのとおりです。その原因は、日本語学校にやってくる学生が、確保されないことです。例えばベトナムからことし、100人の留学希望者がいたんだけれども、出入国在留管理局で許可がおりたのがたった20人だったからというふうになると、学生数によって、日本語学校の経営基盤である資金は変わりますから、その資金の中で雇える先生というのに限りがあるので、非常勤の日本語教師が8割、常勤の日本語教師は2割なんてことになります。だから、静岡県内にも日本語学校いっぱいありますし、新しくもできてますが、非常勤の先生たちの状況からすると、こういった教室のところまで、手広く日本語を教えられる人を育てられるかといったら、実はそうではない。なり手がいない業種でもあります。だから、日本語教育も実はとっても人手不足です。
 日本語教育がちゃんとできないと、技能実習生は、自分たちの権利を守ることもできません。また、日本語教育ができるということは、企業さんにとっては在留年数を3年から5年に延ばすことができる、大きなポイントになります。
 私どもは、国内でも最も技能実習生を多く受け入れているアイム・ジャパンというところで日本語教育の委託を受けてやっていますが、静岡県内、当初は静岡県西部だけを私ども担当していました。アイム・ジャパンで来ている外国人の多くは、インドネシアとベトナムです。静岡県西部、御前崎以西だけで1,600人のインドネシア人が、アイム・ジャパンさんの中でお世話になっています。その子たちを戻してからも、活躍してもらうようにしなくちゃいけないよなと思うのが、私たちの信念で、私どもが教えたアイム・ジャパンの卒業生は、今、トヨタ・バンコクの工場長の通訳とか、アイム・ジャパンの現地送り出し機関の教育の先生とか、年金を納めていた外国人は、母国に戻りますと、年金の返還の手続ができますので、その返還手続の窓口になる会社をおこしてみたりとか、あとは、有名なとこですと、株式会社シーポイントさん、はまぞうさんのブログをやっている会社が、インドネシアのバンドンで会社をおこしていますが、そこのバンドンの学生、元技能実習生も私どもの教え子になります。私どもが教えた子たちは、母国に戻っても、ちゃんとその業種をするという仕組みができるようにしています。でも、ここに来てくれる技能実習生はまだいいんですけれども、送り出し機関は静岡県内にも何万とあります。その送り出し機関が、ちゃんとこういった教育をやってくれているかどうか、受け入れ機関がやってくれているかどうかというと、私は甚だ信用していません。
 静岡県東部では、日本大学の学生たちにも手伝ってもらっていて、学生たちが技能実習生に日本語を教えたりしますが、当初は東部のエリアで、日本語の勉強においでよって声かけても、企業さんに、日本語を学ばせると悪いことをするから教えないでくれって言われました。東部のエリアの先生方、企業さんにちゃんと意識啓発をしてください。日本語がわかると、悪いことするからって、どういうことですかって聞いたら、逃亡すると勘違いしているんです。それは違います。逃亡は悪徳な送り出し機関が多くの借金を抱えさせてしまって、それが返せない金額の手取りしかもらえないから、逃亡するのであって、日本語ができる人は、これはまずいなと思って、かえって逃げません。そこの誤解で、逃げちゃうから日本語を教えないでくれなんていうふうに言われました。
 あと、沼津でも聞いたのが、日曜日の日本語教室は無料だから、せめて来たらどうですかとアプローチをしてみたところ、そのある企業さんは、いえいえ結構ですと、うちの従業員をそこに連れていくことができませんからと。いや、本人たち、自転車とか歩いて来れる距離ですから、いいじゃないですかと言っても、管理をしているのでなんていう話がありました。大抵これ、ベトナムの子たちなんですが、おとといのニュースでしたっけ、首の犬の首輪をつけて、ベトナム人を歩かせていたなんていうニュースがありました。もうそんなことを聞くと、やっぱり受け入れている側の企業さんの姿勢というのが、十分に問われるんじゃないかな、なんていうのも、考えなければならない課題だとは思います。
 ちょっと話は戻りまして、留学生のことをお伝えしたいなと思います。これも市内の国際交流協会の皆さんには余り知られていないことなんですけれども、私がちょっとお伝えしたいのは、日本において起業したいと思って留学している人たちが、10%ぐらいいるということです。すごくおもしろいと思いませんか。イノベーションを起こそうというか、やっぱりそのシリコンバレーを目指そうというか、深圳超えろとか、優秀な人材、こっちに来いなんて言ってますけれども、そもそも思っている人たち、いるんですよね。就職希望者だって、やっぱり6割ぐらいが常に思っている。進学は、日本語学校でアンケートをとっていますので、まずは進学したいと思っている人たちがいるということですが、この6割ぐらいの就職したいよという人たちが、どのぐらい本当に就職するかといったら、たった3割。何が課題かといいますと、企業さんと留学生の、ちゃんとしたマッチングがなされていないことが課題です。一生懸命、社長に話に来てもらえばいいじゃないかなんていって、話をしてください、そんな場も設けますって、県もそういった窓口にお願いをして、されていらっしゃるんですが、正直、留学生本人たちに聞いてみると、そういう説明会なんてするんじゃないと。したところで、行く人は行くけど、行かない人は行かないって。何で情報を得るかといったら、口コミだそうです。どういう人がここで働いていて、そこでよかったと言っているかという仲間うちの口コミが大きいというふうに読めました。その次に、その人たちに聞きました。どうしてその会社を決めたのかと言ったら、社長の意気込み、人柄。つまり、説明会に来る人事担当者の話よりも、社長がどれだけ熱意を持っているか、この人についていこうと思っていくと言う。つまり、その社長が魅力的な人なんだということを通訳してくれる、言葉の通訳じゃなくて、その人ってこういう人なんだよねということを言ってくれる、仲介をしてくれる人がいたらいいんじゃないかなと私は考えます。
 というのは、企業さんが留学生を採用する予定は、もう大体6割ぐらいは持っていて、その能力で求めているのは、何も私たちが課題だと思っている日本語能力よりも、コミュニケーション能力だと言っています。例えば、LINE会話をし過ぎてしまって、大学生や高校生の会話がちゃんと文章にならないという危機的な問題。私、日大で教えてますけど、君たち、偏差値これだけあるはずなのに、何で会話ができないの、考えが述べられないのというぐらい、本当、述べられない子たちが多いです。むしろ、留学生の子たちのほうが、ちゃんと手を挙げて、こうしたいと思いますとか、これが必要だと思います、私はこう考えましたと話ができます。要は、コミュニケーションというか、ディスカッションもできないような状況だったりするわけです。留学生の子たちのコミュニケーション能力というのは、日本語でのコミュニケーションだけではなくて、雰囲気であったり、人柄であったり、姿勢であったりというところがわかるようなコミュニケーション能力なんじゃないかなと思います。そういうものがありますよという子たちが採用されるのが、何とほとんどが中小企業さん。
 だから、外国人材の骨幹というか、外国人材は、中小企業を支えているということが、これはすごくわかります。技能実習制度を皆さん、すごく悪法だと言いました。確かに本来の目的は、母国の経済に寄与する人を育てるという、そのたてつけだからおかしなことになっているのであって、何なら外国人労働者と言ってしまったほうがわかりやすいんじゃないかと私は思うんですが、あの制度がなければ、人を集めることができない中小企業にとっては、かなり厳しい制度というか、あれがなければ、生産ラインがとまってしまうというのは事実の話なので、正しくその制度を活用しなくてはならないし、正しく活用できるための知恵と認識を企業にも持たせなくちゃいけないし、働く側の送り出しされてくる外国人にも持たせなくちゃいけないなと、私は今回、ミャンマーに行って、さらにそれを強く感じました。
 そして、留学生向けの就労支援をさせていただいたんですが、これは、磐田市にある大成エンジニアリングさんに連れていったんです。大成エンジニアリングさんは、静大の卒業生の皆さんが、おこしたのはお父様の代からなんですけれども、今、社長を中心に、チームがすごくおもしろいんですね。ファナックさんのロボットをつくってて、これ、ファナックじゃんと私が話をすると、留学生の子がもうみんな食いついてきて、ここでファナックつくられてるんですかとか。大成エンジニアリング、知らなかったでしょう、こうやってあるんだよという話を、見させて、話をさせてみると、ここに就職したいですって、留学生は言うんですよ。そうか、じゃあ磐田市にも就職できるじゃん。ただ、参加してる子たちが1年生と2年生だったので、社長、済みません、あと2年待ってくださいっていう話を笑ってしたんですが、みんなの前で大所高所の話をするんじゃなくて、会社を見せに行って、社長の話や、従業員の話を聞く。そしてそれをつないでくださるコーディネーターを置いてやっていく必要があるんじゃないかなと思います。単純にバスツアーのように、はいどうぞ、はい、社長、どうもありがとうございました、皆さん、話聞きましょうなんかのコーディネーターは、本当に役に立たないです。
 これは就職のときの面接の仕方を勉強しているんですが、このときも単純な面接ではなく、自分の強みを語ろうと、語り尽くそうというところを練習させてみました。こんなことをやってみると、彼らも浜松の企業に就職したいと手が挙がってきますし、チャレンジしようといって、自分で積極的にビジネスマッチングフェアに参加してみたりする姿勢がかいま見られるようになりました。この勉強会に参加した子の何人かが、例えばリンクウィズさんに採用されたりとか、そんなふうにして、新規企業さん、ベンチャー企業さんに採用されたりなんていうのもあります。
 介護では、私たちは利用者さんファーストでなければならないと思っていて、利用者の皆さんが、どれだけ最後の人生を全うできるかのところで、外国の人たちがサービスができるかを考えていますから、よくこうやって町中に出て、車椅子の練習とか、歩行訓練なんかもしています。これをしていると、市民の皆さんから声かけてもらって、時々ドーナツの差し入れをもらったりします。見ず知らずの人から物をもらってはいけないと言っているのに、積極的に手を出してしまう私がいたりとかしているんですが、お手紙とかで、見ました、よく頑張ってますねなんていう手紙をいただくと、すごいうれしいです。
 それから、介護のテキストも、オリジナルで私ども開発しまして、技能実習生向けにも本も出しているんですが、これが非常に好評でわかりやすいということで、たくさんの日本人の定時制高校でも使っていただいています。何とこの本、来年から台湾の介護福祉学校系の正規教科書になることになりました。日本式介護が台湾の介護のよさを高めていく、だから学びましょうということらしいのですが、それをどうして日本語で勉強するんだろうかなとちょっと思ったんですが、一方でインターンとして、台湾の大学から日本の福祉大学に来てみたいとか、留学してみたいという子もいるということなので、もしかすると、いずれこちらに留学に来て、そのまんま日本で介護の国家資格をとって介護福祉士になっていく人もいるのかななんて、期待をすると、台湾に活用してもらえれば、私としては非常にうれしいことです。やっぱり活路を見出すと、本当に生きがいを持って働いてくれますし、技能実習生なんかも、日本人の子たちとかかわらせるようなことを持つと、とてもうれしそうに頑張ってくれています。
 多文化コンシェルジュもなぜ育成しているかといいますと、これは簡単です。私たちが外国人の人たちに直接言うよりも、先輩の外国人が外国人の後輩に対して助言をしたり、生き方を教えたり、正しい情報のとり方をアドバイスしたりといった、そういったことがとても大事です。それは、もう私たちが外国人を支援するというステージではなくて、外国人が外国人同士で互助関係をつくって支え合うというステージになってきているということです。
 また、一方で、彼女はモンゴル出身なんですけれども、モンゴルの文化を日本人に伝えることができるとなりますと、私たちが勝手に妄想で、モンゴルと言えば白鵬とか、そんなレベルのモンゴルじゃなくて、モンゴルの都会は都会だしということも教えてくれた人が、直接モンゴルの人であったほうが、やっぱり理解もしやすいし、親しみやすいですよね。そういうことで、日本人側にとっても情報の羅針盤になってほしい、それから、同国出身者にとっても情報の羅針盤になってほしいということで、多文化コンシェルジュを育成し続けています。この多文化コンシェルジュ、間もなく商標登録されるので、とある企業さんからオファーがありまして、うちの職員を全員多文化コンシェルジュにしてくれと、サービス提供をするところなんです。九州経団連からも御依頼いただいていて、九州は、やっぱりインバウンドに力を入れないといけないので、九州にいる留学生を多文化コンシェルジュに認定していきたいなんていうような御意見をいただいたりもしています。私どもがやってきたノウハウが横展開して、その地域にとって貢献できるものになればいいなと思います。
 アイドルもつくりました。趣味でできたような状況なんですが、歌って踊りたい外国人の若い子がいるなら、やってみたらと言ったら、意外とファンがついたという話で、今、ちゃんと1人の女の子は、浜松の御当地アイドルH&Aで活躍してくれています。未来を担うという部分では、総じてグローバル人材が必要です。大学生によるぴよぴよクラスは、学校体験を数日間の中でするものです。本当であれば、これ、浜松市だけじゃなくて、磐田や湖西や静岡県の大学生がいるところだったらどこでもできるので、どんな地域でもやりたいと思っています。何をするか、とても簡単です。和式トイレの練習。これ、できないんです、みんな。みんな洋式だから。どうするんだってなっちゃうんで、和式トイレの練習。箸を持つ、手を挙げてから話をするとかですね、そういった学校の体験です。決して授業は教えません。平仮名、片仮名はなんちゃって書いてる感じと、数字もなんちゃって教えてる感じなんですけれども、集団行動したことのない外国人の子供たちが多いので、この機会にさせていただいています。
 フィリピンとの音楽交流も、私たち、使わなくなってしまったメロディオンが、全部ごみ箱に行ってしまうことに心を痛めました。まだ使えるメロディオンは、せめてどこかで生き返せないかということで、ちょうどフィリピンのダバオ市の公立学校にメロディオンを送ることができまして、ことし3年目です。市民の皆さんから、毎年100台を超えるメロディオンをいただくものですから、それを運んで持ってまいります。
 留学生とも交流事業をやっています。バスツアーや川辺で遊ぶイベントなんかも、大学生が企画してこういう活動をしてくれると、私たちなんか、おじさん、おばさんは要らないから、若い子たちでどうぞみたいな状況なんですけれども、それがすごくよくて、大学生が最後の卒業旅行に選んだ場所は、インドネシアのジャカルタではなく、古いバンドンの町とか、その子たちが住んでいる町に行って、その地域を知るなんていうことを聞かされると、ああ、やってよかったなと思います。
 最後は、やはりコミュニケーション力になるんですが、コミュニケーションを豊かにしていくことが、まさに人間関係を築いていくことになりますので、全ての課題は受け入れていく私たち側の意識なんじゃないかなと思います。ただ、この意識を醸成するというと、とても難しいことなので、そこのつなぎ役が欲しくなります。うちは、その真ん中に当たっています。
 例えば、静岡県の事業も、介護保険課さんからの仕事が非常に多くて、今、介護保険課に身をささげている状態で、何かといいますと、介護施設さんが、突然、事務局長がフィリピンから何人入れるとか、ミャンマーから何人入れるとかって言うんだけど、私たち施設側というか、現場がどうしていいかわからない、なので、どうやったらいいかをセミナーしてくださいとか、教えてくださいとか、コンサルしてくださいなんていうことが多いです。これは、県の介護保険課がやってくれていることなので、介護施設さんだけにはできるんです。実は、ソミック石川さんからも相談を受けるような状況で、あした私は、石川社長と話をするんですが、それは浜松市の産業政策課がやっている、企業のための外国人受け入れの相談会をやってくださいというふうに言ってくださっているので、今やっています。企業の人たちにとって、どこに相談したらいいかわからないとか、基準がない、どうしたらこれが成功するかという目安がないということが、不安要素の最も最たるものですから、そこがわかる人に教えを請いたいというのは、確かにそのとおりだなと思います。そこで、私どもの知見と経験からの御助言をさせていただいたりとか、こうしたほうがいいんじゃないかというふうにコンサルさせていただくんですが、もう費用は幾らでもかかっていいから、ちゃんとやってほしいなんていうことを言われます。それはやっぱり、行政が主導して、行政が言ってくれるからこそ安心できるというのがあります。変な事業所さんに、じゃあそこ、コンサルしてとか言って、失敗しましたなんて言ったら、不幸になります。技能実習生の受け入れでも、東京の管理団体さんに頼んだばっかりに、その人が全然フォローに来てくれなくて、すごく困ったという中小企業さんの例もたくさん受けてますし、逃亡されちゃった、いなくなっちゃった、失踪しちゃったよなんていう例も受けてます。本当に企業さんは困っちゃって、困り果てている中で、それでも活路を見出そうということで、外国人材にチャレンジをしているにもかかわらず、やってみたら失敗したというようなことで、こんな不幸なことはないと思いますので、そのためにも、自治体レベルでどう頑張るかというところが必要になるし、政策の中に、企業さんのサポートをどうしていくかというのも、考えていかなくちゃいけないことなのかなと思います。
 ですから、私は社会全体を見たときの、いろんなところのハブになれるようにしたいなと思っていて、受け入れ先の社会とその人材をつなぐ仕事をしていきたいと思っていますし、この仕事を誇りに思って、外国人にとっても、日本人にとっても、ああ静岡県だからよかったなと思ってもらえるような社会にしたいと思います。
 やっていて楽しいことしか生まれないんですが、難しいこともたくさんあります。一番信念に思っているのは、やっぱり私にとって浜松市がとても大事な町なので、浜松市が世界に選ばれる町になってほしいなと思って活動をしております。またよかったら、ぜひ現場も見に来ていただければと思います。
 とにかく外国人の労働力は、中小企業にとっての喫緊の問題です。中小企業を救うためにも、どういう外国人材の受け入れをしたらいいのかということを、しっかり議論していただいて、県政の施策であったりとか、正しいお金の使い方をしていただいて、ああやっぱり静岡県っていいよなというふうになってくださると、私、すごく誇らしく全国に言いますので、やっていただければなと思います。
 きょうはちょっと長くなりましたが、よろしくお願いします。ありがとうございました。

○植田委員長
 はい、ありがとうございました。
 以上で、堀様からの説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 委員の方にお願いをいたします。
 質問はまとめてするのではなく、一問一答方式でお願いをいたします。
 それでは、御質問、御意見ありましたら、御発言願います。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp