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委員会会議録

委員会補足文書

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令和6年3月盛土等の規制に関する条例等検証特別委員会
一般社団法人静岡県建設業協会 土屋龍太郎氏、出雲大俊氏、石野好彦氏 【 意見陳述 】 発言日: 03/06/2024 会派名:


○石野参考人
 一般社団法人静岡県建設業協会専務理事の石野です。
 当協会には、環境保全や災害時における応急対応を担当する環境災害対策委員会を設けております。この環境災害対策委員会では、建設発生土の利用促進に関する調査研究も分担事務となっておりますことから、同委員会の土屋委員長と出雲副委員長に御同席を頂いております。
 まず私から、外観的な概要について説明させていただき、土屋委員長、出雲副委員長から、もう少し現場の実情などの補足をお願いしたいと思っております。
 では、お手元の資料をお開きください。4項目記載してありますが、順次説明してまいりますので、1枚めくっていただきまして、資料1を御覧ください。
 当協会では、毎年、会員企業に対しまして、静岡県の建設業を取り巻く現状と課題と題しましたアンケートを行っております。今回、2023年7月から8月に実施しており、会員企業475社の4分の1ほどの122社から回答を得ております。
 この中で、盛土条例、盛土規制法施行後の盛土規制によって生じる建設現場での課題や、国及び県への意見、要望について伺っており、自由記述による回答を得ております。調査の実施時期が2022年3月の盛土条例施行から1年が経過し、さらに2023年5月の盛土規制法が施行された後ということで、この頃の会員企業の皆さんの思いが込められているということになります。
 回答内容としましては、発注者による処分場の確保も含め、残土処理場の不足が最も多く23件、残土処分費の上昇が11件と続いております。これらは条例施行による悪影響ということになるかと思います。
 また、規制の弾力的な運用が同数の11件、建設発生土の有効利用促進が5件となっております。こちらはその影響への対策ということになるかと思います。
 現場では、処分場の不足と処分価格の高騰に苦労し、規制の弾力的な運用や再利用の促進を求めていた現状が表れていると思います。
 その他の意見としまして、成分分析検査による工事の遅延や停滞、処分費の高騰、処分先不足といった問題を最小限に抑えるために、現場が困らない実質的な対応を求めます、発注前の段階で受入可能な最終処分場を確保した上で設計に反映してほしい、規模の大きい官民連携のストックヤードの整備は急務など、現場への影響の軽減を求めるものがありました。
 成分分析につきましては、調査に要する経費の問題等、調査機関が限られることから、工期への影響が生じましたが、サンプリング数を減らすなどの改善を図っていただいているところであります。処分先の確保と積算への反映は、静岡県建設発生土処理施設一覧表に、事業者名と処理施設の位置、そして受入単価を、上期と下期の年2回、変更があれば随時公表していただき、設計単価にも反映が行われているということで、公共工事につきましてはそれなりに何とか回っている状況かと思います。
 ただ、民間工事の停滞、取りやめが多発しているという意見がございますが、民間事業の実態の把握は難しいです。価格への転嫁という面ではなかなか厳しい状況にあるのかなと思っております。
 また、ストックヤードの整備につきましても、モデル事業が実施されており、今後の事業展開のための様々な知見の収集には効果的かと思いますが、処分場の不足を補うには規模が厳しい状況と考えております。
 続きまして、資料2を御覧ください。
 先ほど、処分先の確保と積算への反映のところで、事業者名と処理施設の位置、受入単価を静岡県建設発生土処理施設一覧表として公表されていると申し上げましたが、それをまとめたものがこの資料2の表になります。数字の上段、括弧書きのものが上期のもの、令和5年4月1日の単価及び処理施設数で、下段の数字が下期のもので、令和6年3月1日に修正されたものになります。また、受入単価は処理施設によっては土質によって異なる単価を設定されている場合もありますことから、国土交通省が示す土質区分基準の第一種建設発生土、いわゆる砂ですとか礫の受入単価を記載しております。
 また、表の左端に地区協会とありますが、これは当協会の地区協会のことで、土木事務所の管轄エリアと一部異なっております。静岡と浜松ですと、土木事務所は1か所ずつですが、地区協会としましては、静岡土木管内に静岡と清水、2地区協会がございますし、浜松土木管内でも浜松と天竜の2か所がある状況です。また、沼津土木のうち、三島市から田方地区、そして熱海土木のエリアというのは、三島協会となっております。
 このそれぞれのエリア内に所在する処理施設、最終処分場であったり、中間処分場であったりしますが、そこでの受入単価の平均を比較したものになっております。各エリア内において、処理施設ごとに単価の違いがありますが、エリア間でもかなりの差がございます。
 全体的な傾向としては、賀茂、東部、中部では、富士地区を除いて単価が上昇しているのに対しまして、西部では減少しております。通常、処分場が逼迫して価格が高騰しているということであれば、処理場数が増えれば単価が下がってくるかと思うのですが、実際には富士地区、袋井地区、浜松地区以外では、そのような傾向が見られるものの、静岡地区では処理施設が増えているにもかかわらず、単価も上昇している状況で、残土処理に非常に困っている状況にあるということだと思います。
 あと下田地区と沼津地区においても、若干処理価格としては静岡地区よりはまだまだ低いのですが、それでも同じような状況があり、残土処理に苦労されてるという状況です。
 西部−−袋井地区、浜松地区、天竜地区では津波対策の防潮堤の整備事業が建設発生土の受皿になっていると聞いており、そこが逼迫をある程度補っている状況かと思います。
 続きまして3ページを御覧ください。
 こちらは、昨年の夏から秋にかけまして、盛土条例と盛土規制法の運用に関する懸念として、当協会から各会派などに要望させていただいたものになります。
 盛土条例では、県下一律に1,000平方メートルまたは1,000立方メートル以上の盛土について県が許可を行うというもので、ある意味、単純と言いますか、分かりやすかったのですが、盛土規制法では、県が基礎調査を行った後でないと、どのような規制が行われていくのか分からないということで、この中で条例と規制法−−四角く囲ってありますが−−規制が適用される区域ですとか、事務を所管する機関、また適用される基準、これらが条例と規制法で異なっているということで、要は似て非なる基準が並んで適用されるのではないか、非常に分かりにくい状態にありました。
 このため、例えばですが、水質汚濁防止法という法律があり、法律で検査項目や水質の基準を一律排水基準として定めていて、必要に応じてその地域の実情に応じて、県の条例でさらに厳しく指導する必要があれば、上乗せ基準をかけるですとか、新たな項目を定める必要あれば、横出し基準として、項目の追加をするという運用がなされており、盛土条例とか盛土規制法においても、このような法と条例が一体で機能するような再整備をお願いできたらという要望をさせていただいているところです。さきの12月議会の中田議員の質問に対する県当局の答弁では、その辺のところを検討されているようでしたし、本日の特別委員会もそのような趣旨で行われているものと理解しております。ただ、実際に盛土規制法の運用がどのようになるのか、まだ見えないというところで、特に発生土の行き先の追跡調査、トレーサビリティが求められるということですと、その場合、成分分析といいますか、土質調査の必要性の有無はどうなのかとか、やる場合、やらない場合のメリット・デメリットというのか、その辺が見えてこないところに不安を感じております。
 続きまして4ページをお開きください。
 こちらは昨年10月に開催されました建設業協会の東海4県ブロック会議での当協会の提案議題になります。東海4県ブロック会議は、愛知県、三重県、岐阜県、静岡県の4県の建設業協会、県、政令市の担当部署、中部地方整備局及び国土交通省本省の幹部が一堂に会して意見を行う場になります。当協会としましては、静岡県盛土条例施行による残土処分場の不足という事態を踏まえ、盛土規制法への適切な対応として、建設発生土の再利用の徹底と公的機関によるストックヤードや処分場の確保を訴えたものになります。
 発生土対策としましては、減量化だけではなく、資源保護の観点からもリサイクルの徹底は重要だと考えております。また、西部地域における防潮堤事業のように、防災対策の事業に建設発生土の有効利用が行えれば、国土強靱化による県民の安全安心の確保と、リサイクルによる資源保全、そして我々建設業界にも活躍の場が与えられるということになると思いますので、ぜひ建設発生土を活用した国土強靱化事業の展開をお願いしまして、私からの説明とさせていただきます。
 土屋委員長、出雲副委員長、補足の説明がございましたら、よろしくお願いいたします。

○土屋参考人
 私どもの協会は、公共工事を主体としている施工に携わる人たちの団体ですけれども、今回のこの議論が、熱海の伊豆山のあの事例をきっかけに始まったと認識していますが、私たちがやっている公共工事の発生土の処理は、従前からきちんとストーリーを持って処理をされてきている事業でありまして、熱海伊豆山の原因になったような、全く発生源も分からなければ、中身も分からないというようなものとは本質的に違うという点の御理解を委員の皆さんにぜひお願いをしたいと考えています。
 今、いろいろな検討を経て、ストックヤードの問題であるとか、処理場の問題等が出てきていますけれども、最終的に住民の理解が得られないと、手が打てないのですが、この冒頭の熱海伊豆山の事例と、我々が公共に携わる、建設業者が関わる発生土というのは、明らかに次元が違うというところの議論をぜひしっかりしていただかないと、住民の理解が得られないと感じていますので、冒頭、この点については御理解をいただきたいと考えているところでございます。
 それからもう1点ですけれども、当初、この条例を検討されている段階で、私どもの協会にも、担当課の方がお見えになって説明がありました。そのときの説明を、公共残土は除外だと。要するに、熱海のような事例の再発防止のために、これから条例を考えるという話でして、我々の領域は建付け上、除外というふうにお話を伺って、それなら結構ですといって始めたのですけれども、いざやってみると、いろいろな形で影響が出て、今、専務が説明したような形で大きな課題になっています。
 今、最も切迫していると思ってるのは、公共工事の執行そのものに大きな影響が出るということを感じています。実務的な処理地の問題も当然ですけれども、その過程で、発注の速度に影響が出たり、それから、発注の仕方にも影響が出るというところで、実は今、国土強靱化で、しゅんせつ工事等々を計画はされてるのですけれども、その土の証明ができないので、工事の発注ができないという状況もありますし、さらには、まずリサイクルがあって、現場間流用があってと、それがどうにもならないときに、残土処理と、今、当局はお考えなのですけれども、これを考えていると、発注がどんどん遅れてしまうということもありますので、ぜひそのあたりの整理をしっかりしていただいて、公共工事の執行に影響を与えないようなルールを作っていただければと考えているところでありますので、よろしくお願いいたします。

○出雲参考人
 今、石野専務理事、土屋委員長からいろいろお話がありましたけれども、私も特に感じておるのが、インフラ整備がこれで止まるぜって、近い将来、大きな影響出ちゃうぜっていうことをずっと訴えてるのです。個人的な見解で言うと、もう20年、30年近く前から、盛土の問題は、粗末にしとくとえらいことになるって訴えて歩いたつもりですが、どこかに消えてんだからいいだろうって相手にもされなかったです。それがこういう形で吹き出てきています。今ここで、熱海のことをきっかけに、こういう条例が出て、議論されているわけですが、ここを逃したら、近い将来、遠い将来、建設行政に大きな遺恨が残ると思います。しっかりここで議論しておかないと。もう首都圏なんかは、最近始めたのが30年ぐらい前なんですが、あの頃からもやっぱり市街地ですので、あるいは汚染土がいっぱいあったから、ストックヤードの問題だとか、処分場の問題だとか、すごく真剣にやっていたのですね。ここらは田舎町だから、消えちゃってたっていう悪い部分がありまして、それがどこに消えたか、追跡するようなトレーサビリティをかけるようなことはしなかったです。それが今ここへきて出てきてるのだと思います。
 ですから、ここはもういろいろな意見があると思うのですが、運用できるようにしていただきたい。それだけは、今から訴えるのですけど、ここ1、2年、特に静岡市の場合、先ほど土屋委員長の説明にもありましたが、処理場みたいなもの、何だか怪しい処理場みたいなものは数はあるのです。静岡市に限って言うと。数はあるけど実態は伴っておりません。じゃあ土がどこへ行くかといったら、西に行ったり、東に行ったりということになるのです。ですから、コストが上がっちゃうのです。一時預かって、それを4,000円、5,000円かけて、運賃かけて運んで、その処理場の処理費を払うということになる。それから土壌分析するという話になると、1万円ぐらいになっちゃうのです。我々は、その業者じゃないから、そう言われてしまえば払うしかない。そこに持っていかなかったら、皆さん、当然のことで御存じだと思うのですけど、我々土木工事なんかは、仕事を受けます。一番先にやるのは土を掘ることなのです。土を動かすことなのです。それがどこかへ処理できなかったら、事が進みません。うちなんかもやっているのはほとんど公共工事なのですが、そういうことがもう今現実に起こって、静岡市内混乱しているところがありますけれども、ここでじゃあどうしたらいいかっていったら、この法規制は絶対必要ですから、運用できるような規制にしてほしい。今のままじゃ、実態に合ってないことがいっぱいあります。
 それと、皆さん御存じかどうか、交通基盤部でみらいの県土研究会というのを、今月4回目があるのですが、立ち上げています。私もメンバーに入れてもらってますが、交通基盤部で考えてるのは、最終処分場なんてのは要らないっていう見解なのです。なぜなら、土質改良したり、工事間流用をすれば何とかなる。それは立派な考えなのですけれども、今、ハード的に言うとそういうシステムが全くないのです。それなのにそれだけ言ってるのでは、困るわけですね。今でももうどうしようもない土、処理しなきゃならない土があるのですから、処分場は一緒に考えてほしい、そういうふうに考えてます。
 処分場を作るとなると、さっき土屋委員長からも話が出ましたけれども、地元の理解を得られなければ廃棄物になっちゃってるのですね。おれのとこに持ってくるんじゃねえってみんなに言われちゃったら何もできないのです。ですから、民だけでやろうとすると、これはすごい大変です。私、そういう経験で苦い思いをしていますので、官も一緒になって、地元に必要性を訴えていただいて、処分場を作るということを考えていただけたらなって思っています。
 本当に極端なこと言うと、静岡でいうならもうないから、清水港の折戸などは何にも貯木場なんか使っていないのだから、ああいうところを埋めようじゃないかという、そのくらいの発想で、みんな一緒にやっていただけたら、一時しのぎにはなるかと思っています。
 遠い将来、技術調査課で今、推進しようとしていますJaSRO−―全国組織の土質改良して利用しようというところ−−が大分入り込んできていますが、そういうことをやってもいいけど、その設備って全くないです、今の静岡に。全くって言っていいぐらいないのです。それなのに、そればかり注視しちゃってると困っちゃうのです。今、現場は困ってます。
 我々は業者ですから、業者として困っていますという話もしますが、当然のように、処理業者も困っています。受けていいかどうか分からない。だから単価も上がってしまう。おっかなくて受けられない。処理業者何社かから話を聞いていますけれども、今、下手に受けちゃうと、リスクしかないので、受けられないって。それでも持ってきたいのだったら金払ってくれと。今、1立方メートルで1万2000円か1万3000円まで、出てますのでね。そういう状況になっちゃっています。
 その辺を踏まえていろいろな御議論いただきたいと思います。

○杉山(盛)委員長
 ありがとうございました。
 以上で、一般社団法人静岡県建設業協会の皆様からの説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 委員の方にお願いいたします。
 質問はまとめてするのではなく、一問一答方式でお願いいたします。
 また、聴取した内容に関連する執行部への質問は、別途の時間をとりますので、ここでは参考人への質問に限らせていただきます。
 それでは、御質問、御意見等がありましたら御発言願います。

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