委員会会議録

質問文書

令和４年10月17日自然災害対策特別委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	10/17/2022
	会派名：	公明党静岡県議団

○髙田委員
　今日は、ありがとうございました。本当に多岐にわたるお話を伺いましてありがとうございます。
　高齢者施設ですが、どうしても立地しているところが危険なところとは言いませんが、なかなか厳しいところにあるのは事実で、3･11のときにも私も現地に行きましたけど、ある企業は目の前にある病院をまず助けようと、我が社ではなく病院を助けようということで、まず病院に駆け込んで、病院の施設を全部その従業員が使えるまでにして、本当に多くの方が助かったとお聞きしました。ＢＣＰには書いてないことですよね。こういう高齢者の施設なんかは、ここにも先生も書いていただきまして、御近所の力というものをもう少し頼ってもいいと思うんですが、そういうことを発信できるシステムとしてつくるのは難しいですけど、そういうところまでエリアを広げて、地域の力でというのをもう少し打ち出してもいいと思いますが、その辺のお考えはどうでしょうか。

○岩田孝仁参考人
　まさにそれをやらないと、自分たちの施設の中だけで抱えていると、とても難しいと思うのです。問題は情報発信をそこまで積極的にやっていただける施設がどれだけ出てくるかが一番大きな課題で、事例に御紹介した用宗の広野病院は、逆に自分たちの施設がこういう施設だから助けてくれということで、そのために、ただ単に助けてくれではなくて、うちの施設の上にくれば防災のいろいろな資機材も全部あるから、そこへみんな集まってくれということで呼び寄せているんです。そこまでやって、ようやく何かコラボレーションできているので、先ほどの熊本の球磨村の千寿園も、地域の人たちに自分たちの実情を言って、いざというときに助けてもらいたいと、そこで地域の人たちが集まった朝、来てくれた。やはり、それはみずから積極的に発信しないと、難しいと思いますので、そこを行政もどこまでサポートできるか、それは施設と一緒に協力し合ってサポートしていくしかないと思います。

○髙田委員
　うちの近くにある高齢者の施設も、町内の方全員分のロッカーを用意してくれてあって、そこに非常食等をいつも置いていただいていいですよと、そういう地域関係をつくっていただいています。お祭りのときにも必ず職員が来ますし、やはり顔が見える関係を常につくってあって、どこどこの誰々というのも分かっていますので、本当に今お互いにそういう力を発揮するのは、非常に大事だと思っています。
もう一問。
　当然、自助、共助にいくんですけど、なかなかまだですね、アンケートをとっても食料品や水は避難所にいってもらいますみたいなことを、平気で答える方がいっぱいいらっしゃるんです。私も今、防災士として、避難訓練ではお話しているんですけれども、そういう意識があるうちはかなり厳しい。県でもいろいろ発信はしていただいていますが、自助をベースにしていかないと、先生が書いたとおりで、それを支えるのが公助だよという、これを履き違えている人はかなり多くて、もう耳にタコができているんだけど用意できてないという部分があります。難しい話ですけれども、ここをどのようにしていったら、それぞれの自覚に任せるといえばそうなんですが、避難所運営が混乱するのは、やはりそこがないがゆえだと思います。また、台風15号の今回のところでも、自治会長がもう目いっぱいになったと言うんですね。なぜかというと自主防災が動かなかったからです。うちの町内は自主防災、副会長を中心に動かしまして、もう本当に腰までつかったところもいっぱいあるものですから、そういうお手伝いもしました。この共助のところもまだ機能していないと思いますので、この自助、共助、単純な話ではないですが、もう一段強めていかないと、いよいよくる地震に対して無防備過ぎると常々感じてます。訴えてもなかなか入らない、あった組織が使えない部分がありますので、その辺の御助言をいただければと思います。

○岩田孝仁参考人
　難しいですね。私もこれ永遠のテーマで、無謀かも分かりませんけれども、私、県庁時代に自主防災組織の育成事業を延々、最初は立ち上げたり、補助金をつくったり制度をつくったりしてやってきた張本人なんですけれども、もうそろそろ自主防災組織をやめようかなと時々思うことがあります。それは、先ほど静岡市の事例でお話したとおり、町内会と自主防災組織が、ほぼ90数パーセント同一化している組織の中で、自主防だけが何か頼られてしまうと、多くの人が離れていってしまっているところがあって、２年に１回やっている県の意識調査を見ても、自主防災組織に入っている意識のない人たちが結構おられるんです。本当は名簿上、全員入っているはずですが、そうであれば逆に自主防災組織の看板をやめて、全然違う組織をつくって、要するに自分たちで地域守り隊でも何でもいいし、何か自分たちで自分たちの地域を守るために、みんなで協力し合いましょうみたいな、何かそういう枠組みをやってもいいのかなと思っておりまして、今、自分の近くのところにはプッシュしています。別に自主防を排除しているわけではなくて、やはりＮＰＯの人もいればいろいろな団体の人もいて、いろんな人たちが関わってくると、全てが自主防だけじゃないという防災の連携が、ひょっとしたら見えてくるという思いがあります。非常に無謀ですけれども、自主防を１回やめてみて、もう１回つくり直してみたらと実は思っているぐらいです。決して今の自主防を否定しているわけではないんです、これは誤解のないようにしてください。非常に強い活動をされているのは分かっているのですけれども、ただ、そこにたどり着いていない地域が少しずつ今は見えてきていて、そういったところでは違った仕組みを考えてもいいと思っているところです。それは答えになるかどうか分かりませんけれども。

○髙田委員
　発想としては、本当にそういうところまでいく必要もあるかと思います。うちも結局、被災した翌日には有志が集まってやったということで、町内会長が有志に声をかけて有志がやりましたので、まさしくおっしゃるとおり助け隊みたいな形で支援させていただきました。これからまたしっかり考えて、稼働できる組織体をつくっていきたいと思っております。ありがとうございました。

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